Monday, October 31

ハリラヤ前の週末

もうじきラマダンが明けて、ハリラヤ(断食明けの大祭)が始まります。

金曜日の夜にはオーストラリア人の一家、土曜日には、ランチにイギリス人の友人、ディナーに日本人の友人を招きました。簡単なものしか準備はしなかったのですが、ちょっと足りない食材をお買い物に、と思ったら、渋滞。ラマダン明けを数日後に控えて、Grand Saleも佳境にはいり、とにかく街が混雑しています。

スーパーなどどこにいってもかかっている音楽は、「ハリラヤ・ソング」。Selamat Hari Raya~♪を繰り返すので、イヤでも覚えてしまいます。 いってみれば、ジングルベルやラスト・クリスマスがあちこちでかかっているのと同じなのですが、なじみがない分、また、演歌調のポップスのような歌ばかりで、若干耳障りです。ハリラヤ前の雰囲気は、欧米ではクリスマス前、日本でいえばお正月前に近いのかと思います。どこでも、ラマダンにかかせないデーツやハリラヤ用のお菓子、飲み物などが山積みになって売られています。お菓子を手作りする人も多いのか、製菓関連のものも目立ちます。ショッピングモール内にも出店がたくさんでていて、売っているものは、家具、雑貨、安物のアクセサリー、スカーフ、偽物ブランドバッグなど雑多なものですが、にぎやかです。

日曜日は、そんなショッピングモールをふらふらしたあと、久々のダンスのレッスン。本来1時間なのですが、もともと担当だったインストラクターが突然フィリピンに帰ってしまったため、見習いのようなインストラクターがラテン、別のインストラクターがボールルームを教えてくれる変則的な形になって1時間半ほどやってもらったので、さすがに疲れました。

その後、この1週間の疲れを癒やそうと、ネイルとマッサージへ。ネイルをやってくれたのはフィリピン人。それなのに、何度も時間を気にしているなと思ったら、実はfasting中とのこと。クリスチャンなのですが、ダイエットを兼ねて、ムスリムを理解するため、だそう。ネイルが終わったのはちょうど6時頃。これでbreakfastだ、とうれしそうでした。いずれにせよ、あと、数日でラマダンは終わり。彼女のダイエット、成功するのでしょうか・・・。

Friday, October 28

Scottish Dance

11月半ばにSt Andrew's Ballがあるということで、まだ、これに出席するかどうかは決めていませんが、とりあえず、Scottish Danceの練習に参加しました。

前回、Ceilidhにいったときにも少しは踊ったのですが、今度のBallは、結構本格的、ドレスコードもBall Gownというフォーマル・イベントなので、例年事前に練習日を設けているということでした。Scottish Danceはフォークダンスなので、基本的にはステップも簡単。ただ、動きは意外に激しく、位置の入れ替わりを間違えると、ついていくのがちょっと大変になります。それに、ほとんどが3,4カップルずつのグループで踊るため、やはり動きを知っているほうが楽しめます。

ダンスの手引きのような本があって見せてもらったのですが、さっぱり。
最初のポジション図解以外は、動きが英語で解説されているのですが、読んでも???という感じです。ダンスの動きを書き言葉で説明するのは本当に難しいと思います。

1時間半ぐらいと聞いていたのが、遅れて始まったこともあり2時間近く。
5種類ぐらい練習したので結構疲れました。

少人数の練習会でしたが、ほとんどが40~50代ぐらいのご夫婦。たいていの場合そうなのですが、この日も女性の方が多かったので、ステップをよく知っている女性2,3人は男性役。Ballもカップル参加であればダンスにも参加しやすく、より楽しめます。

同じ「フォークダンス」でも、盆踊りのようにひとりで踊れる方が本当は気が楽だし、好きなだけ踊れるのだけれど、と、小学生時代、盆踊りの時期には連日浴衣を着て踊り続けていたこと(!)を懐かしく思い出してしまいました。

Thursday, October 27

エアロビクス

昨日は久しぶりに仕事のあとダッシュでエアロビクスのレッスンへ。

日本滞在中はほとんど運動らしい運動をしませんでした。
ギリギリに飛び込むと、常連の友人たちに「久しぶり」「日本に帰っていたの?」と呼び止められるのですが、まずは着替え。ラマダン中なので少し空いているかと思ったのですが、そもそも、ほとんどが中国系なので結構な混雑でした。

ダンスを習っているスタジオでのレッスンで、ダンス・エアロビクス。曜日ごとに音楽・ステップのテーマがあります。水曜日は確かロックンロール。エアロビクス担当はゲイのインストラクター。彼(女)の、たぶん日本語に訳せばおネエ言葉で、ジョークを交えたかけ声にあわせて、早いテンポの曲に乗って体を動かしはじめます。最後のストレッチまでで1時間びっちり。久々の運動で気持ちの良い汗をかきました。

帰国中に、日本で最近ブームのホットヨガの体験レッスンにいったのですが、そもそもが暑いところでエアロビクス中はクーラーなし。ある意味、ホットヨガに近い効果があります。

レッスンのあと、常連の友人たちの会話に少し加わるのは貴重な情報収集。口コミがすべてのこの国では、これは本当に重要です。その後、インストラクターの「明日はジャズよ~。ちゃんと来てね~。」という言葉に見送られつつスタジオをあとにしました。

さすがに疲れがたまっていたのか、急に激しい運動をしたせいか、ちょっと立ちくらみがしましたが、車生活に戻ったので、体を動かせたのは気持ちがよかったです。

Wednesday, October 26

シングルマザーのクリスマス

昨夜は、久々にオーストラリア人の友人と夕食をともに。
2ヶ月前にお引っ越しをしたということで、彼女の新居にお呼ばれしました。
ちょっと個性的な雰囲気の彼女、だいぶ年上の方ですが、なぜか最初に出会ったときからとても親切にしてもらっています。

いつもどおり、地図をにらみつつのドライブ。2回ほど間違えましたが、間違ったことにすぐ気づきUターンできるようになったとは、我ながら偉い!と自画自賛しつつ、到着。

おうちがかなり暗かったので本当にたどりついたのか不安でしたが、彼女はキッチンにいるということで、シャワー上がりの彼女の息子、年よりは落ち着いてしっかりしている15歳の男の子が慌てて迎えにでてくれました。大人っぽく見えるけれど会話をするとやっぱり子ども、という感じの12歳の女の子と3人の家族の普段の食卓に混ぜてもらった感じです。こうして呼ばれるおうちは、どこもとても仲の良い家族です。

お引っ越し前のおうちに呼ばれたときは、大量のアルバムを見せられました。その中で印象的だったのは、Christmas gathering albumとでもいうのか、クリスマスに、家族、親戚、友人などと集まったにぎやかで楽しそうな写真を集めたもの。20年以上分あったでしょうか、彼女の家族の変遷を定点(定期?)観測できます。気になったことがふたつ。ひとつは、「真夏のクリスマス」。オーストラリアは南半球、その後も常夏の国なので当然といえば当然ですが、クリスマスツリーやデコレーションにサマードレスというのは、何とも不思議な感じです。まさに、サーフィンする水着姿のサンタクロース、のイメージです。もうひとつは、家族が増えたり、減ったりしていること。増えるのはよいのですが、最後のほうの写真には欠けている人がいる様子。

プライベートなことで聞きづらいのですが、今はシングルマザーの彼女。4人いるうちの2人の子どもたちと一緒に暮らしています。残りの2人も独立しているようです。

この時期、既に話題は次の休暇、つまりクリスマス休暇。子どもたちは、うれしそうに今年のクリスマスは初めてのヨーロッパ、ドイツ旅行を予定していると話してくれました。お姉さんの1人も合流するということで、今年のクリスマス写真は、彼女と3人の子どもたち、友人で過ごすWhite Christmasということになるのでしょうか。ドイツは相当寒いでしょうが、子どもたちは、「クリスマスらしいクリスマス」を経験できるでしょう。

きっと、いろいろあったのだと思いますが、子どもの学校や生活費を考えて、仕事の契約を更新したという彼女、そのたくましさに感心します。去年、上の2人の子どもたちも遊びに来たということで、彼女と4人の子どもたちとで撮った写真。その笑顔は本当に素敵でした。仕事やこちらでの生活の愚痴をこぼしながらも、彼女のがんばりは子どもたちに支えられているのだなぁと感じました。

今年、彼女のアルバムには、また、明るい笑顔のWhite Christmas写真が加わることでしょう。
こちらに残っていると、クリスマスらしい雰囲気すら感じられず、寂しいですが・・・。

Tuesday, October 25

みずとりぞうさん

今回の一時帰国は長かったので、初めて20日間近く、うちを空けていました。
帰る時は、ちょっと恐怖でした。

というのも、湿度がとにかく高いし、そこら中にゲッコー(ヤモリ)や虫がいるわけなので、ほったらかしのアパートがどんな状態になっているかを想像すると・・・。

バスルームの窓は開けっ放しにしてきたのですが、たまに、ものすごいスコールが降るとさすがに水浸しになる危険性があるため、そのほかのところは閉めてきました。人によっては、クーラーをつけっぱなしにしておくともいいますが、少なくとも、契約書には、留守中つけっぱなしにしないようにと書いてありました。

ともかく、帰ってきた日は、とりあえず目につくところではとりたてて変化はなく安堵。
多少のほこりや、ゲッコーのふんには目をつぶるとして、今までのところ、カビなどの被害も発見されていません。

やはり、日本からわざわざ持参した湿気取りや防虫剤が効いているのでしょうか。
それにしても、あっという間です。いわゆる、みずとりぞうさん、普通は3-6ヶ月使えると書いてありますが、1ヶ月もしないうちにもう、ちゃぽちゃぽ。話によると、もっと湿度の高いアジアの国では一晩でちゃぽちゃぽだそうですが。防虫剤も、ふと気がつくと、ぺっちゃんこ。東南アジア仕様のものってないのでしょうか。

こちらでも売ってはいるのですが、日本から持ってきた方が安心と、ついつい荷物になるのに持って帰ってきてしまいます。みずとりぞうさんは、湿気を吸い取るまでは軽いのですが、かさばるのが難点。今回は、いろいろ持ち帰るものが多くて断念しました。でも、今使っているものももう少し経ったらお取り替え時期が来てしまいます。

予防策で、革製品は最低限のもの、靴やバッグ、着物など高価なものは置いてきているのですが、実は日本の夏の暑さと湿気も相当なもの。帰ったときは、そちらも気がかりで大変でした。実際、今回の帰国でのお掃除、お手入れ、処分はかなり大変だったのですが。

こんな心配をしなくてよかった乾燥したヨーロッパが、お肌には悪いと思いつつも懐かしいです。

Monday, October 24

再び常夏の国へ

昨夜、こちらに戻りました。
日曜日の出発だったせいか、成田も混雑、乗り継ぎの香港でもかなり時間がかかり、フライトも香港からは満席。

日本から戻りたくなくて憂鬱気分でしたが、混雑はともかく、フライトの遅れなどはなく、順調に戻ることができました。到着時は日没頃で、夜は風もあったので、それほど暑くなくて、とりあえず昨夜は気温差に悩まされることもありませんでした。

ただ、ああ、戻ってきてしまったと感じたのは、やはり夜。
ラマダン中のため、お祈りがいつもより長くて大音量なのです。
疲れていたせいか、夜明け頃に目を覚まさずに済んだのはラッキーでした。

そこで、思い出したのは、飛行機の隣の席の太ったおじさん。
思えば、隣の席からはみ出しそうだった大きなおじさんは、機内サービスの飲み物はペプシをもらっていました。いくらサービスがそれほどよくないにしても、普通は缶のプルリングぐらいは開けて渡すはずですが、開けていませんでした。彼はそれを前席のポケットにつっこみ、そのまま。その後機内食も特に聞かれることもなくパス。降りる間際に、紙袋に入った食事らしきものを渡されていました。3時間ちょっとのフライト、食事の時間には早かったので食欲がないのかな、でもこの体型ではダイエット中なのかも、ぐらいに思っていました。香港からの便で、イスラム系の乗客がかなり少なく、多くは中国系とヨーロッパ系。そのため、その時点で、まだピンときていなかったのですが、まさに、空港到着時が1日の断食が終わる時刻だったのです。隣のおじさんも、見た目がいかにもムスリム、という感じではなかった気がしたのですが、断食時間中だったのでしょう。きっと、イミグレーションをでた辺りで、あのペプシをうれしそうにごくごく飲んでいたのかもしれません。

当然、私は隣で機内食をつまんでいたのですが、ちょっと申し訳なかったです。
まぁ、強制されてやっているわけではないので、こちらが飲み食いしても悪いことをしているわけではないのですが。

ちなみに、機内食があまりにワンパターンでおいしくないので、前回は「シーフード」(本来はお肉を食べないベジタリアン向け)、今回は「ローカロリー」ミールなるメニューを事前オーダーしていました。私自身が「ローカロリー」ミールを食べていたので、隣のおじさんはダイエット中という発想になってしまったのかもしれません。

Tuesday, October 4

一時帰国

あと少ししたら空港に向かいます。
空港には基本的には1時間前で十分、空港までは15分。これは、本当にいいところです。
いつもどおり乗り継ぎにも問題がなければ、日が変わる前にはうちにたどり着いている予定です。

ブログも、23日にこちらに戻ってくるまでは、「南の小さな国」からではなくなってしまうため、お休みします。

今回は少し余裕のある日程なので、お久しぶりの方など、お会いすることができればいいなと思っています。日本にいても忙しい方が多いので、かえって、遠方からたまに戻ってきました、という機会に連絡を取り合っていると、日本にいる人同士よりも頻繁に会っていることになったりもしますが。

連絡先はここ数ヶ月使っているプリペイド携帯です。使い勝手は悪いのですが、やっぱり、空港に降り立ったその瞬間から連絡を取れる体制になれるのは便利です。もう、携帯なしの生活というのは考えられなくなっています。

今日は曇り空、またスコールが来そうな気配です。
明日から、秋晴れの日本を楽しめることを期待しつつ。

Monday, October 3

New Moon

今日はラマダン入りを決定するお月様観測日。

今夜New Moonが観測されれば、その翌日(明日)からラマダンに入ることになります。
ただし、政府発表として新聞にも載っていますが、「科学的には今日は新月は観測されない」のです。つまり、天文学的には今夜新月は見えないわけです。それがわかっていながらも、なお、昔ながらのやり方で、国内の決まった観測地点で観測を行います。その結果、今夜、政府の正式発表がありますが、それまではラマダン開始はいつからかわからない、ということになります。今夜見えない場合(見えないはず、なのですが)、明日の夜が土砂降りであろうと、雷が落ちようと、それとは関係なく明後日からラマダンに入ります。

いまどき、月観測を実際にやってラマダン入りを決めるところは、イスラム教国でも少ないようです。
ラマダン初日は休日になりますので、それが直前までわからないという点からも、効率的ではありません。わかりきっていることでも、形式は重要ということなのでしょう。何事も、効率より形式重視の国ですから。

ラマダンに入ると、役所は午後2時か午後2時半まで。いったいいつ仕事をするのか、という感じです。おそらく、仕事はしないということなのでしょう。インドネシアなど、イスラム教国でもラマダン中も通常勤務のところも少なくないようですので、やはり特殊な国、なのかもしれません。

レストランなどの営業時間も変わります。多くのレストランでは、1日のラマダンが終わる午後6時頃から、ビュッフェを行うようです。空腹の中で、メニューを見て、オーダーしてと、のんびりしたことはやっていられないということなのでしょう。

昨夜は、弁護士補から正式に弁護士になった中国系友人のお祝いディナーに招かれました。食べることが大好きな彼女、当然、ムスリムではないのでラマダンは関係ありませんが、このラマダン中のビュッフェは結構楽しみにしているようです。確かに、新聞広告で見ると、割安な価格設定になっています。一時帰国から戻ってきたらぜひ一緒にと誘われました。ラマダンが終わるのをあと3分、1分とカウントダウンしているムスリムの人たちを横目に、普通にランチも食べている私たちがビュッフェの列に並ぶ(あるいは、ムスリムの人たちは、既に盛りつけたものを目の前に置いてカウントダウンしているのかもしれません)というのもどうかと思いますが、その雰囲気を見に行くのもおもしろいのかもしれません。

そうはいいながらも、明日から一時帰国。
ラマダン開始1日目の報告はできませんが、今回は久しぶりに長めの帰国なので楽しみです。

Sunday, October 2

Gala Night

とにかく、文化と名がつくものに飢えているため、昨夜は、マレーシア人の友人と一緒に、マレーシアのGala Nightなるものに行ってきました。Cultural performanceがいろいろある、という触れ込みでした。

マレーシアのナショナル・デーは8月だったはずなのに、何でこんな時期に、と思ったのですが、サバ・サラワク州(マレーシアの半島部ではなく、ボルネオ島に位置する部分)は、あとからマレーシアに統合されたので、年に2回、National Dayがあるということでした。

先日、インドも同じようなNational Day Eventなるものをやっていたのですが、行かなかったのでどのようなものかはよくわかっていませんでした。要は、マレーシア協会のようなところが中心となって、マレーシア人を中心に大勢が集まって、食事とエンターテイメントを楽しむイベント、でした。

まず、チケットには19時と書いてあったので、19時少し過ぎに行ってみると人の入りはパラパラ。プログラムを見れば、Guest of Honourの到着は19時55分。早く来すぎたことに後悔。主賓は20時過ぎても現れず、結局、到着は20分頃。それから、長いマレー語スピーチが始まり、ハリケーン「カトリーナ」への救済募金のためのイメージビデオが流されました。そして、21時過ぎにようやく食事。目の前に置かれていたお料理は、もう保温用の火が消えかかっています。ただでさえ、おそらく16度設定のホテルのボールルームで凍えそうなのに、冷たいお食事とは・・・。ちなみに、チケットは2種類あったようで、サーブされる円卓テーブルと、大テーブルごとの簡単なビュッフェスタイル。私たちはビュッフェの方だったので、とりあえず、皆と一緒に一斉にお料理に群がり、お料理をとって座るとエンターテイメントプログラムはすぐに開始されました。その間、サーブされる方はまだ前菜も運ばれていないところがほとんど。おなかが空いていたので、安いチケットの方でよかった、多少冷めていても、と思わず思ってしまいました。

エンターテイメントは、ダンス、歌、ファッションショー、バンド、ラッキードローで構成されていました。ラッキードロー(抽選会)はこちらでは人気があります。たいしたものでなくても(と私には思われるのですが)、「タダでもらえるもの」に喜ぶ、という傾向があるようです。余裕があるお金持ちが多いのに、不思議な気もします。

あまり上手ではないけれど、おそらくプロかセミプロのMCの司会により、次々プログラムが進んでいきます。ダンスのうちひとつは中国のもののようでしたが、女性ダンサーが7,8人で千手観音のような動きをするもの。これはなかなかよかったです。手に金の長い爪かハサミのようなものをつけて、技術的にもかなり高い優雅な踊りでした。その他のダンスは、期待していたいわゆる伝統的、古典的というものはあまりありませんでした。歌は、「アイドル誕生」的な番組で最終に残った人レベルのマレー・ポップス。歌唱力はそれなりにあるのですが、歌の雰囲気は日本の演歌にポップスを混ぜたような感じでした。全体的にいってみれば、レベルの高い発表会か学芸会、という感じでした。私たちは11時過ぎに帰りましたが、まだ、バンド演奏が続いていて、サーブされるテーブルではお料理が運ばれていました。

期待していた「文化」とは少し違いましたが、それなりに楽しむことができました。
むしろ、これこそが、マレーシアの現代文化体験、だったのかもしれません。

Saturday, October 1

コンサート

一応この国にも、Music Societyなるものがあります。

私も来てすぐにメンバーになりました。
1ヶ月に1回弱のペースでコンサートがあります。
英、米、仏、カナダなどいろいろなところから、2-3人のミュージシャン(ピアニスト、ギタリスト、歌手、バイオリニストなど)をよんで、ホテルのレストランを使った小さな会場でリサイタルをします。夕食付のときもあります。大使館、銀行などの大手企業をスポンサーに付けるので、チケットは比較的お手頃です。ただ、少ない予算でよんでくるので、「若手」も多く、必ずしも質的には高いものではないのですが、それはこの国で「音楽」を楽しむ機会を持てるだけでも満足すべきなのでしょう。

昨夜のコンサートは、フルートとギター。私にとっては、新鮮な組み合わせでした。フルートは昔少しだけかじったことがありますが、音を出すのに一苦労。初心者なので息の使い方が下手だったせいか、常に息を吐き続けていて、貧血と酸素不足で倒れそうになり、自分には向いていないと判断。3ヶ月お試しコース終了後、フルート購入はあきらめました。フルートは女性的で軽やかなイメージだったのですが、実際は結構な重労働、唇をべちゃっと楽器につけて必死に息を吹き込むので、近くで見ると吹いている姿はあまり美しくはないです、との先生の言葉に納得してしまいました。それはともかく、昨夜は、ブラジル音楽から、グリーク、モーツアルト、スペインの影響を強く受けたフランス作曲家の曲、タンゴなど、かなりバラエティに富んだ演目でした。ギタリストの男性がアレンジを担当しているということで、フルートとギターだけでこれだけ表現できるのか、と目からうろこが落ちた感じでした。

日本にいたら、わざわざチケットを買ってまで、フルートとギターを聞きに行こうと思わなかったので、選択の余地がないというのも新しいものを体験するという意味ではいいのかもしれません。

ひとつ、公演中にかなり気になったのが、同じホテル内でやっていた結婚式か近くのスタジアムからか聞こえてくる歓声と、会場であるレストランのキッチンで鳴り響く電話や食器をがちゃがちゃと片づける音。ジャズのような曲であればまだいいのですが、ソロのときなど、かなり耳障りでした。

このSociety、メンバーもコンサートに実際来るのもほとんどオーストラリアなどを含むヨーロッパ系。日本人を含めたアジア系がパラパラ。まさにExpatクラブです。いかに、この国の人の、MTV、特にマレーシアなどのポップス以外の音楽への関心が薄いかがわかります。
残念ながら、音響の良い、立派なコンサートホールができる日は遠いでしょう。