Friday, September 30

Sweet 18

昨夜は、オーストラリア人一家のバースデーパーティーに招かれました。

美人で背もすらっと高い彼女は大人っぽく見えますが、昨日で18歳。
パーティーは一家4人に数人の友人でテーブルを囲むこじんまりしたものでした。
友人といっても、彼女のご両親の友人、家族ぐるみの友人なので、明らかに皆、だいぶ年上。自分が18歳になったとき・・・と皆が遠くを見る目をしていたのが印象的でした。

仲の良い家族。でも、最近いろいろあったようです。
仕事で一時帰国していたオーストラリアから当日夕方に駆け戻ってきたお父さんのおめでとうスピーチ、そして彼女のスピーチ。彼女は、スピーチの途中で涙をこぼし、思わず回りももらい泣き。実は、いつも電話をしてきていたボーイフレンドが問題ありだったらしく、一時期は一緒に住んでいたものの、ドラッグ騒ぎでオーストラリアに戻ったそうです。お母さんは、もう電話がかかってこないからよかった、とほっとした表情でした。彼女の落ち込みは相当だったようですが、特に、お兄さんの支え、助けは大きかったようです。やっぱり家族は大切としみじみと感じました。

その後、もうひとつ素敵だったのは、皆がテーブルについている間に、少し離れたところで彼女がお父さんとダンスをしていたこと。父と娘のダンス。映画のワンシーンのようでした。

お料理やワインもおいしく、楽しいパーティーでしたが、何よりも心に残ったのは、この二人のダンスシーン。家族が一緒に過ごすこと。家族に支えられていること。こんな素敵な18歳のお祝いをしてもらえる彼女は幸せで、彼女自身もその幸せを存分に感じているのだと思いました。

Thursday, September 29

ラマダン

あと数日でラマダン(断食月)が始まります。

昨夜夕食に招んでいたマレー系の友人に聞いてみると、最初の何日かがつらい、のだそうです。
そのうち、生活リズムができてきて、ランチの時間には多少空腹でも夕方頃にはそれほど感じなくなり(確かに、おなかが空きすぎてピークを超えると空腹感はなくなります)、日没とともに食事をすれば大丈夫だといいます。人によっては、日没に食べ、その後もスナックなどをつまみ、夜食をとり、さらに夜明け前に重たい朝食をとるということですが、これは太る原因。彼女は、日没後の断食明けの食事以外は夜明け前にミルクを一杯飲むだけだそうです。本当に、そんな食生活で1日のエネルギーがまかなえるのでしょうか・・・。日本人のスタンダードからはやっぱりちょっとふくよかな彼女、ラマダンでダイエット、と張り切っています。ラマダン中もダンスのレッスンは続ける、というのですから、見上げたものです。おなかが空くと、何も考えられなくなる私にとっては、とても信じられません。

日本でもプチ断食がブームで、これは、デトックス効果、解毒と体の調子を整える効果があり、食生活や生活習慣改善にも役立つといいます。でも、イスラムの断食は、この暑い中で水も飲んではいけないのです。当然、昼間はクーラーの効いた部屋でほとんど動かず、仕事もしない、非効率な毎日となります。外に出ていたら脱水症状を起こしてしまうでしょう。ラマダン中の昼間の街はとても静かです。

子どもに何歳から断食を始めさせるかはその家の方針によるようです。早ければ3歳ぐらいから、まずはオヤツを食べさせない、といったレベルから慣れさせるそうです。確かに小さい頃からやっておけば、できるようになるのでしょう。例外として、女性は妊娠中などの場合には断食をしなくてすみます。旅行中もやらなくていいそうです(だから、いつも国王は英国に逃避旅行しているのでしょう・・・)。免除された部分は、あとで、適当に補えばよいそうです。

友人は数年間ヨーロッパで生活していたのですが、「旅行」でなくて「住んでいた」のでその間もやっていたそうです。みんながやっていないところでやるのは大変では、と思ったのですが、実は楽な断食だったといいます。ヨーロッパの冬は日照時間が短いので、普通に朝食をとって、ランチを抜いて早めに夕食をとればいい、といわれて、思わず納得しました。仕事も忙しくて、気がつけば夕方という感じだったそうです。ただ、逆にいえば、イスラム歴は年によってずれてくるので、夏にあたることもあります。そうなったときはどうするのでしょう? 夜の10時になっても明るい空をおなかを抱えて恨めしげに眺めることになるのでしょうか? さらにいえば、もしも、白夜の北欧で生活する敬虔なイスラム教徒がいたら・・・。1日中、全く飲むことも食べることもできなくなってしまいます! さすがに、そういうときは、母国の時間でやるなど融通を利かせるようですが。

友人は、まさにラマダン期間中、私自身の一時帰国日程と重なって日本訪問予定です。
今回は、「旅行」にあたるので断食はしないことになります。日本食もかなり好きな彼女。
そうすると、ダイエット計画もなかなか難しいのかもしれません。

Wednesday, September 28

秋から夏へ

週末の駆け足一時帰国から戻った昨夜、空港に降り立ったらいつもどおりのムワーッとした空気。
秋の風を感じる日本から一気に季節が戻ってしまいました。
この温度差はやはりこたえます。

日本との時差はわずか1時間。これは、本当に楽です。世界地図で見れば、赤道に向かって斜めに降りていくわけです。そして、ここからさらに南下していけば、季節は逆ではあるものの、再び四季のある世界へ。地図という平面を眺めていると忘れてしまいますが、地球は丸いということをふと思い出す瞬間です。

日本では当然のことながら、秋物商戦真っ盛り。なぜか、この国では、Grand Saleなるものが最近始まったようです。季節感がないということは、季節商品もないということで、バーゲン時期もいってみればいつでもよいわけです。今までも、一応、セールの時期というものはあったのですが、今回のGrand Saleは、政府主導のようです。シンガポールなど周囲の季節のない国々でも、バーゲン時期はだいたい決まっていますし、マレーシアやタイなどが観光振興の一環でセールのプロモーションにかなり力を入れていることに触発されたのでしょうか。つい最近始まって、ラマダン明けぐらいまで1ヶ月も続くそうです。新聞によれば、このプログラムに参加するデパートやお店は、商品在庫の何%を何%オフにしなければならない、などと決まっているようなのですが、普通は需給バランスで価格は決まるもの。何とも不思議な感覚ですが、この訳のわからなさ加減は何ともこの国らしいです。ラマダン中の国民の購買意欲を盛り立てて空腹を忘れさせるためなのか、観光客がますます少なくなるラマダン中に少しでも訪問客を確保しようとする策なのか。いずれにせよ、効果はそう期待できませんが、とりあえず一消費者としてはモノが安いことはいいことです。ただ、やはり、値段で勝負というよりも、本当は、モノの種類を増やして、品質をあげるということを考えた方がいい気はします。

それでも、今週末は、ショッピングモールをのぞきに行こうかと思います。
来週からの一時帰国のお土産に、相変わらずのお菓子だけではなく、何か掘り出し物があればよいのですが。

Thursday, September 22

Nail Art

爪は意外に目立ちます。
今は、日本で買ってきたシールタイプのネイルアートを自分でしていますが、よくお友達からどこでやったのか、どこで買ったのかと聞かれます。今日もランチを食べたレストランのレジで聞かれました。
今付けているものは、蓄光性のある塗料が塗られているので、夜になると光る白い唐草模様のような形のものを何本かに。ベースはクリアで、ラメ入りのトップコートを塗っています。

ネイルサロンはいくつかあります。
ネイル専門というところは1軒しか知りません。たいていは美容院の中です。マッサージやエステと組み合わせてできるところもあります。美容院では、ときどき、メニューにあるものの実際にはネイリストがいないという場合もありますが。ネイリストは基本的にフィリピン人。やっぱり、器用なようです。

日本ではネイルサロン流行り。ちょっとネイルの勉強をして、ネイリスト。あちこち行きましたが、ものすごく時間がかかり、時には自分でやったほうがよいかも・・・と思うような仕上がりのときもありました。もちろん、有名なお店、人気店、カリスマ・ネイリストのところにいけば、技術もあり、素敵な爪に仕上がるのでしょうが、あまり頻繁には行けない価格設定で、予約をとるのも大変。その点、ここでは、マニキュア・ペディキュアを両方やっても30ドル程度(約2000円)。もちろん、ケア込みです。日本だと、塗ってあるマニキュアをリムーバーで落とすだけで、+500円、などという場合も多いので、それを考えると格安で楽しめます。

アートについては、技術とセンスがものをいいます。ひとり、とてもセンスのいいネイリストがいて、アートをしたいときは彼女を指名します。一色のお花などシンプルなものだと、マニキュア料金に+5ドルぐらい。しかも、これは1本ではなく、10本のお値段なのです。もちろん、手書きです。ベースをクリアにして、アートをする、というアイディア、テクニックはまさに彼女から学びました。白いお花などは、カラーを塗らない方が映えます。このお店を中国系の友人に教えてもらって以来、何度か通いました。日本のサロンのようにきれいなお店ではないですが、マッサージも気持ちがよく、週末はかなり混んでいます。ちなみに、このお店に置いてあるネイルの本はほとんどが日本のもの。彼女たちはこれを見て新しいデザインなどを研究しているようです。ただ、並べてあるサンプルにはそんなに素敵なものがないのですが・・・。

最近、爪の一部が欠けてしまったため、しばらくネイルは自分でやっていましたが、日本から持って帰ってきたシールタイプのネイルアートも切れてしまいました。そろそろまた、いつものお店に予約をいれようかしらと思っています。

この国での数少ない気軽にできる贅沢です。

Wednesday, September 21

トラブル

昨日、友人二人が帰国。

いつもだったら、チェックインを手伝って、中に入る前までお見送りをするのですが、昨日は空港に着いたところで、さようなら。出発時刻になり、無事出発したかしら・・・と思っていたら、しばらくして電話が。

携帯のディスプレイに番号表示がない場合は、国際電話。何かトラブルでは、との想像どおり。
ああ、やっぱりチェックインまでは一緒にいるべきだった、と思ったものの後の祭り。

2回の乗り継ぎで日本に帰る予定ということだったのですが、航空券の枚数が多かったせいか(そんなことはいいわけにはなりませんが)、どうも、空港カウンター職員が、間違った部分を切り離してしまったため、たった今乗ってきた分の航空券は残っているのに、これから乗り継ぐ分の航空券がない!とのこと。航空券がないから搭乗券をすぐに発券してもらえない、という事態に陥っていました。でも、どう考えても、ミスであることは明らか。航空券の最後のページは領収書になっているので、すべての行程が記されているし、そのうちの1枚が抜けていて、しかも搭乗済みの航空券が1枚残っているということであれば、カウンターでのミスであることさえ確認したら発券は可能なはず。乗り継ぎ時間に余裕もあったので、結局ミスが確認されて搭乗券を入手できたとの連絡がありました。その後、今日の午前中、無事おうちに着いたそうです。

航空券は細かい字で読みにくく、わざととしか思えないわかりにくい記号も多いですが、特に乗り継ぎが多いときは確認をしたほうがよいと思います。前にも、切り離して渡された一部航空券をなくしてしまったケースがありました。海外旅行の際には、まずは、パスポートとビザ、そして航空券、お財布、これだけは普段以上に慎重に。

旅行中のハプニングは、その後、いい思い出になることも多いですが、トラブルになるとイヤな思い出。
あまり疑い深くなりたくはないですが、信用しすぎないほうが安全。
特に、ここの空港は事務処理能力も低いので、今後の自戒の念もこめて。

ちょうど、今週末の駆け足一時帰国のチケットが届いたので、早速確認してしまいました。

Tuesday, September 20

Made in ...

この国らしいものは何? お土産には何を買ったらいい? この質問にはかなり困ってしまいます。
石油以外にとれるものはわずか。キラキラ華やかなイメージと異なり、宝石や金などがとれることもなく、加工技術も進んでいません。ハンディクラフトといえるものも、周囲の国からの輸入品がほとんど。

今日帰っていく友人たちにも最初に聞かれましたが、結局彼女たちも、お菓子と切手以外は、周囲の国でつくられたスカーフ、小物などを買ったようです。小さな国ですが、ある意味、歴史的には島ひとつ一緒、と考えれば周囲の国のものまで「このあたりの」お土産ということはできるかもしれません。そうすると、お菓子、香辛料、ハンディクラフト、雑貨、家具などに至るまで、対象を広げることはできます。日本も、実際は、純粋にMade in Japanといえるものが少ないですが、ここでも範囲を狭めると全く何も買えなくなります。

お土産として、というよりも、こんなお店がと笑えるのは、日本の100円ショップグッズを扱っているお店。日本の100円ショップで売っているそのままのパッケージの状態のものが、3~5倍の値段を付けて売られています。このお店、置いている商品が他と違うので、ディスプレイに目を引かれ、少しあか抜けているかしら、ちょっとおしゃれなものが売っているかも、と思って入っていくと、実はほとんどの商品が100円ショップグッズ。100円ショップの偉大さ(!)を感じます。

日本の電化製品などの性能の良さから、アジアでは、日本のメーカー、ブランド名に似せた名前やロゴを使った製品はあふれています。また、コピー商品や海賊版だけでなく、マレーシアなど周辺国でつくられたお菓子や日用品には、訳もわからず日本語が書かれていて、それが「おしゃれ」であったり、「品質がいいのではないか」と思わせる手法のようです。時には思いっきり間違っている日本語表記。それでも、昔、日本でも平気で間違った英語の書かれたTシャツを「かっこいい」と思って着ている人が多かった時代を思い起こせば、一緒なのでしょう。ちなみに、日本語の書かれたTシャツも結構人気です。欧米人も漢字のタトゥーが「Cool!」だといって、「恋」のつもりで「変」という字を入れてしまっているとか、自分の名前らしきあて字が、鏡文字になってしまっているとか、そんな誤解はたくさんあります。

それにしても、この100円ショップグッズ輸入ショップは、安売り・均一の「1ドルショップ」ではなく、日本のものを扱っているおしゃれなお店、というイメージ路線です。その実、Made in Japanはひとつもないのですが・・・。直接、中国などから輸入すれば、よっぽど安く売れるはずですが、日本人的なセンス、日本語のタグといったものが、不思議な付加価値を生み出しているのです。ただ、置いてあるグッズは、おそらく、日本の100円ショップで売れなくなった在庫などを中心にまとめて引き取ってきているのでしょう。中には本当にここで使われるのだろうか、というような商品や、日本語のみの説明書きで使い方がわからないのでは、という商品もあります。

とても、お土産にはなりませんが、この国ではこんなものが流行っているというのを見るのは、意外におもしろいものです。

Monday, September 19

Moon Cake

金曜日から友人2名が遊びに来てくれているので、週末はモスクなど数少ない市内観光をしていました。ドライバー役もガイド役もだいぶ慣れてきた感じです。

土曜日は、マレー系の友人のおうちで共通の知り合いの送別会を兼ねたホームパーティー、日曜日は、中国系マレーシア人の友人のおうちでのお月見パーティー。いずれも、お友達も一緒にといってもらえたので、3人でお邪魔しました。お月見といっても、日曜日の夜はあいにくのスコール。たまに小降りになっても、雲は厚くて、残念ながら満月は全く見えませんでした。彼女の仕事柄、フランス人が多く集まった中秋の名月のお祝い。フランス語と英語が混じって飛び交っていました。プールサイドのテラスには提灯が飾られ、デザートには月餅があって、と多少はそれらしい雰囲気もありましたが、名目はともかく、いつもどおりのにぎやかでなごやかなパーティーでした。ホスト・ホステス夫妻を始め、いつも新しい人たちを受け入れ、とけ込ませてくれる雰囲気があるので、友人たちにも楽しんでもらえたのではないかと思っています。

週末、友人たちとスーパーにお買い物に行きましたが、その際にも月餅が既に安売りされていました。18日を過ぎてしまえば、クリスマスケーキと同じで、もう価値がないということなのでしょう。パイナップルフレーバーなどがありましたが、ごく普通に個別包装されるか、箱入りになったものでした。中国で賄賂になると問題になっているような、「フカヒレ入り」「ツバメの巣入り」などの超高級月餅や、立派な箱にいれられているもの、「おまけ付」(高価すぎて、どちらが「おまけ」か、という議論がでるようなものらしいですが)は見あたりませんでした。

パーティーでいただいた月餅は2種類。小さくカットしたものでしたが、そのうちのひとつは、ドリアン味! ドリアンケーキの時のように飲み込めないほどではなかったので1口はコーヒーで流し込んでしまいましたが、月餅にもドリアン餡があるとは・・・。残った1口はお皿に残したままになってしまいました。日本でいただく月餅は、ごま風味の餡にくるみなどがはいっていて、割合好みの味だったのですが、これは日本人向けになっているものだったのでしょうか。こちらのものは癖があるものが多いようです。もっとも、これが本来の味なのかもしれませんが。ちなみに、日曜日は、パーティーに行く前にホテルでハイティーをしていて、相当ケーキやスコーンを食べたあとでした。甘いもの好きなので、それでも、結局、月餅に手を出している自分に自分でアキレてしまいました。

そして、さらにおまけがあり、ホストである友人のご主人が3日後にお誕生日ということで、お開きになりかけた頃にサプライズのバースデーケーキ。バースデーケーキにしては比較的派手ではなく、普通サイズのラウンドのケーキでしたが、太めのキャンドルを1本。さすがに、彼はちょっと恥ずかしげでしたが、キャンドルを吹き消しざくっと豪快に半分にカット。

前回の失敗があるので、配られたケーキを慎重に一口。チーズケーキでした! 

Moon Cakeよりもやっぱり普通のケーキのほうがおいしいと思いましたが、いずれにせよ、忙しいけれど楽しい週末でした。

Thursday, September 15

アパート

今はfully furnishedといわれる家具付アパート生活です。
一人暮らしには広すぎる3ベッドルーム、ほとんどドアを開けたこともない使用人部屋付。

実は、1軒家を借りた方が安いぐらい超高額家賃。「当地では」最高級マンション。
一般的には、ここ数年で家賃が大暴落しています。しかもアパートの築年数もそれなりに経ってきているにも関わらず、相変わらずの高家賃で外国人向けに貸している物件です。特に日本人向けには高いという話もあります。前任者が住んでいたのと、とにかく早く落ち着きたかったため、慌てて決めてしまいました。そもそも、あまり選択の余地がなかったのです。というのも、いわゆる日本でいうマンションタイプの物件の数がものすごく限られているのです。特にそれなりのクオリティを求めると、片手に入るぐらいしかありません。一軒家が主流ですが、一人暮らしには広すぎるし不用心です。需要と供給のバランス。外国人向けの、しかも、一人暮らし向け物件がほとんどないため、家賃の高さには目をつぶって、安全とある程度の快適さを選んだという状況です。

それでも、慣れてきてから、他を探そうと思ったこともあるのですが、結局そのままです。ひとつのネックは運転が不得意なこと。長いドライブ、一車線しかないような道は避けたいと思うと、ますます選択の幅は狭まれます。でも、やはり決め手は、住んでいて安心感があること。何といっても最上階のペントハウスは大家さんが住んでいます。そのため、セキュリティや共用部分のお手入れなどはしっかりしています。また、何か故障などがあっても、比較的早く対応してくれます。

fully furnishedだと、ベッドやテーブルはもちろん、カップやスプーンまでついています。英国生活のときは、さらに、リネンなどまで揃っていて、何もなくてもその日から生活ができる状態でした。こちらでは、さすがにそこまでではなかったのですが、少なくとも、高いだけあって、電化製品は全部つけてくれました。ただ、最初からあった掃除機やアイロン類があまりにもボロボロ。使えるのですが、使い方にコツが必要なほど。先日、試しに言ってみようと、家賃の支払いとともに交換してもらえるか聞いてみたところ、昨日新品が届きました! こんなことだったら、早く言えばよかった・・・と思いました。ただ、入居の際に、かなりがんばって家賃交渉したこともあり、しばらくは言いづらかったというのも事実です。それでも、相場よりは明らかに高い家賃。いってみるものです。自分で買ってしまわなくてよかったです。

明日から友人2人が日本から遊びに来ます。普段使われていないゲストルームが活躍します。

本来は、2ベッドルーム、1スタディルーム(書斎)、という間取りだったのを、「Study」はしませんからといってベッドルームに変えてもらったので二組までのお泊まりは問題なしです。別のところに移るかどうか迷いつつ、なんだかんだいいながらも、そのまま過ごしてしまいそうです。

Wednesday, September 14

巨大ジュース

先日、ランチをしたレストランは、大衆タイ料理。

一瞬、食べ物のお店ではないのではないかと思われる、水色のペンキ。ガラスも黒っぽいものが使ってあって、外からは中がよく見えません。店名の入った看板も上のほうにかかっていて目立たないので、一瞬通り過ぎてしまいそうです。中に入っても、同じ水色一色。ちょっと食欲をそそる色ではありません。水色というのは塗料の中でいちばん安いのだとかいう話も聞きました。とにかく、こんな目立たない外観の割にはお昼はほぼ満席。その人気の秘密は、飲み物にありました。

フレッシュジュース、各種ソフトドリンクには、ノーマルとラージの2サイズ。いつもはお茶派なのですが、ジュースが目玉と聞いていたので、ノーマルサイズのフレッシュ・グリーン・アップル・ジュースを注文しました。そして出てきたのは、中ジョッキより少し大きいぐらいのプラスチックのグラスに並々と注がれた薄緑色のジュース。間違えて、ラージが出てきたのかと思い、目を疑いました。これが約140円。この量と安さは確かにすごいと思いました。ちなみに、ラージのほうは、高さはそれほど変わらないのですが、さらに横幅のあるグラス。ノーマルすら飲み干すことができなかった私は、ラージを飲んでいる人たちを見てびっくりでした。ビールなら大ジョッキは軽い、という声もあるかと思いますが。お店を見渡していちばん人気は「カクテル」なる飲み物。これは、缶詰のミックスフルーツ、シロップ、水、牛乳を混ぜたもののようです。これを飲み(食べ)ながら、巨大オムライスなどをほおばっている人たちを見ると、これが、あの体型を作るのだなぁと納得してしまいます。

最近、ようやく、政府が国民の健康を意識し、取り組みつつあります。無料ヘルスチェックや講演会などがフィットネスクラブの数とともに増えている感じです。ただ、まだまだ健康維持に関する基本知識を持っていない人が多い気がします。日本ではプチ断食がはやっていますが、来月はラマダン(断食月)。プチ断食は、体の中の悪いものを出し体調を整える効果があるといいますが、ラマダンはどう考えても体にいいとは思えません。3食決まった時間に食事をして間食を控えるとか、甘いものや油ものをとりすぎないとか、そうした私たちの「常識」とは相容れないのです。ラマダンが始まったらダイエット、という声も聞きますが、成功率は低いのではないでしょうか。先日発表された研究結果でも、夜に摂取した食べ物はそのまま吸収されてしまうといいます。日没後に食べて、夜明け前に食べる、という「夜」の2回の食事。ラマダンに入ってすぐはつらいけれど、すぐに習慣になって慣れるといいますが、その習慣が怖いのでは・・・という気がします。

ムスリムの人たちが巨大ジュースをランチに楽しめるのもあと3週間ほど。
きっと、あのレストランも、3週間後には、お昼時は閑散として、夜中に巨大ジュースがテーブルにいくつも並ぶという光景に変わるのでしょう。

Tuesday, September 13

Gecko

日本の総選挙、投票率も高かったですし、今回については、特に世界各国からも注目されていました。ところが、こちらでは新聞の2面にちらっと記事があるのみ。アジア地域で、普通の感覚の国だったら、昨日の新聞1面トップには、「LDP Landslide Victory」が入ると思うのですが。ちなみに、昨日の1面は、外務大臣である王子がニューヨークに到着したという写真(出迎えに誰が来たということのみで中身なし)、シンガポールのデング熱、マレーシアのヘイズ。

そんなことに段々慣れつつも、もうひとつ、ようやく慣れてきたのが、どこにでもいるゲッコー(gecko)ことヤモリ。

昨夜のコーラスの練習で、創作アーティストでもあるおばさまが、オリジナルデザインだという金のゲッコー・ピアスをされていました。彼女は、ゲッコーや蝶など、トロピカルなモチーフで雑貨などを作成、販売しています。ゲッコー・ピアスはなかなか素敵、とはいえ、本物のゲッコーのほうは、まだ「かわいい」とまでは思えません。

忘れもしませんが、到着直後、ホテルで過ごした2泊目。部屋に戻り、テーブルに載せておいた新聞をふと持ち上げた瞬間、3,4cmのサイズのベイビー・ヤモリが・・・。思わず、悲鳴をあげてしまいました。こちらも怖かったのですが、相手のほうはもっとおびえてしまったらしく、新聞から転げ落ちたあと、一瞬停止。その間、両者動けずみつめあった(?)まま。1秒後でしょうか、5秒後でしょうか、あちらは、脱兎のごとく逃げていきました。

2日目にして早速洗礼を受けたわけですが、本当にヤモリはあらゆるところにいます。とても、慣れられないと思ったのですが、壁を走っていく姿を見ても、黙認できるようにはなりました。たまに、鳴き声も聞こえますが、意外に甲高く大きな声です。サイズは、10cm程度でそれほど大きくなく、色も比較的薄い感じなので、おもちゃのゴムのヤモリと同じような感じです。慣れてくるとそれほどグロテスクさは感じなくなってきます。害虫を食べてくれるのでいいのですが、あちこちにフンを落としていくので、お部屋の掃除は大変になります。

まだまだgeckoモチーフの雑貨を喜んで使うほど、gecko好きにはなれません。それでも、見かけても叫ぶことなく、フンを掃除しつつ、彼らと共存していかなければならないというアキラメの境地には至っています。

Sunday, September 11

Wedding

昨夜は中国系の友人のバースデーパーティーでかなり遅くなり、ワインも飲んで、今朝は相当つらかったのですが、眠い中なんとか起きて、初のマレー・ウェディング体験。

「そうそう、結婚式があるけど、行く?」というものすごい軽いノリで誘われたのが2週間ほど前。2つあるから掛け持ちになるといわれました。片方の新婦は一度だけ会ったことがあるものの、もう片方は全く面識なし。いいのかしら・・・という疑問を抱きつつも、せっかくのお誘いなのでいくことに。ご丁寧にバジュクロンまで貸してもらいました。小柄な彼女の妹さんのものということで、モダンな、腰のあたりをしぼったシェープのあるタイプなのですが、典型的花柄。完全に自分の好みとはいいがたいですが、せっかくの好意、喜んで受けることにしました。スカーフはかぶる必要なし、といわれたので、髪はアップにしました。朝、美容院にいくかもと張り切っていた友人は、結局寝坊していけなかったようで、いつもと同じヘアスタイルでした。若い人たちは、結婚式のような場でも、スカーフなしの人も多いようです。

結婚式は、新婦のおうちで行うのが一般的だそうです。最近、ホテルでのレセプションというのも少しずつ増えているらしいですが、準備が大変とはいえ、まだまだ家が主流とのこと。

招待状の地図を見ながら目指すおうちに向かいます。一軒目は、4人の子どものうち、唯一の女の子、ということで、かなり大がかりで華やかなものでした。ハシゴする私たちは、開始時間(ゲストの到着時間)ぴったり、という相当早い時間に着いたので、まだあたりには車がパラパラ。まず、入り口のあたりで、プレゼント(お土産)を渡されました。伝統音楽の生演奏や、チュールやリボンの飾り付けが、お祝いムードを盛り立てます。広い庭・駐車場部分にはいくつものテントが張られ、イスとテーブルが所狭しと並べられ、既にテーブルの上にはケータリングのお料理が載っていました。家の中も同様に飾り付け、キッチンやリビングにはイスやソファーが並べられ、相当大勢のお客様を迎えられるようにしてあります。まずは、花嫁にお祝いを言うということで、中へ。花嫁は準備中ということで、30分ほどおしゃべりしながら待ちました。お部屋に通され、お祝いを言うと写真撮影。再び家の外に出ると、だいぶ人も増えている様子。人が増えたということは車も増えているということです。道路は、ずいぶん先の方まで車で埋まっています。ここで私たちは、もう次のおうちに向かうことにしました。結局、ブルーのなかなか素敵なドレスを着たきれいな花嫁さんを見ただけでした。新郎はあとから来るということで、残念ながら顔を見られませんでした。ちなみに、花嫁のブルーのドレスはマレーシアでオーダーしたそうで、2000ドル(約14万円)かかっているそうです。

次の家への道すがら、3軒も結婚式がありました。学校休暇中の今の時期はウェディングシーズン、金曜日はお祈りがあるので、まる1日使える日曜日に集中するそうです。私たちは2件ですが、人によっては何件もの結婚式を掛け持ちすることになるそうです。次の家に到着すると、またお土産。これは、昔は繁栄の意味をこめたゆで卵だったのが、今はお菓子、お皿などちょっとしたものに代わったそうです。お土産をいただき、また家の中へ。準備中の花嫁に会い、その後、外の席で待つこと30分。どこでも待つ時間は長いです。こちらのおうちでは、マレーのポップスがスピーカーからガンガン流れていました。そのうち、花嫁のお母さんやおばさんが挨拶に回ってきます。その後、しばらくすると、やおらお祈りが始まり、次はどうするのかと聞くと、「Eat!」とのこと。ケータリングの簡単なランチをとり、食べ終わった頃にようやく新郎到着。花やリボンで飾り付けられたBMWから降り立った新郎は、ビーズのついた華やかな傘を差し掛けられて、家の前を歩きます。家に入る際には、何かお祈りの言葉と水をかける儀式のようなものをしていました。その後、新郎新婦がともにでてきて写真撮影。新郎新婦は、淡いグリーンの衣装で、これもまた素敵でした。写真撮影が終わると、以上、でした。

マレーの結婚式は1週間ぐらい前から儀式がたくさんあるとのこと。これは、限られた家族、親族、親しい友人などが出席するものだそうです。何百通という招待状がばらまかれている結婚式というのは、知り合いがみんな来て、軽く食べてお祝いを言って帰るというものらしいです。ハリラヤ(断食明けのお祭り)のオープンハウスと同様、誰でもwelcomeという雰囲気のようです。ケーキカットなどもそれほど一般的ではないそうで、写真撮影以外に特にイベントもなく、あっけない感じでした。

それでも、バジュクロンを着てマレー系の友人たちとともに、幸せそうで輝いていた花嫁さんたちに会えただけでも、とてもいい経験でした。典型的なこのシーズンの日曜日の過ごし方を体験できた、ともいえるのかもしれません。

Saturday, September 10

公共料金

今日は空いていて助かりました。
銀行口座引き落としができない、あるいは当てにならないということで、毎月、公共料金の支払いにいくのですが、時に長蛇の列。せめて、一カ所で全部払えればいいのですが、それぞれ違うところなので本当に面倒です。

最初のうちは、請求書が来たと思ったら、その翌日ぐらいが支払い締め切り日になっていたり、前の住人の分の請求が来たり。しかも請求書の大半はマレー語。慣れない生活とともにパニックしていました。ただ、その辺り、割と適当なのだと気づいて、だいぶ気が楽になりました。たとえば、電気代については毎月メーターを読まないため、適当な予測額を請求して、数ヶ月でならしてしまいます。そのため、締め切り日は厳格ではないようです。さすがに何ヶ月もため込んだら、いきなり切られるということもあるのかもしれませんが、数日程度では何もいわれません。

そういえば、駐車料金の踏み倒しが多いという記事が先日ありました。車社会なので、当然、どこにいっても駐車場が必要。タダで停められるところも多いですし、路上駐車は平気でみんなやっていますが、有料地下駐車場と有料駐車スペースもあります。地下駐車場は入るときに払うので問題ないのですが、路上の有料スペースというのが不思議な存在。駐車料金徴収おばさん(もしくは、おじさん)がやってきて、停めてある車のナンバーをチェック、これまたマレー語のみの駐車料金請求書をバンパーに挟んでいきます。30分ごとに1枚増えていくので、長く停めると何枚もバンパーに紙が挟まっています。その請求書を持って、回ってくる人に払うか、何カ所かにある駐車料金支払いボックスにいる人のところで支払います。ただ、問題は、払いたいと思ったときに払えないときがあるのです。夕方になれば、この徴収係は帰ってしまいます。支払いそびれると、その後、(たかだか100~200円程度の・・・)駐車料金を払うためだけにまた来ないといけないのです。踏み倒す人の気持ちも十分わかります。小心者の私にはできませんが。結局、ナンバーをチェックしても、罰則も追求も甘いのでしょうか。

日本のように、銀行引き落としが普通、何でもコンビニで入金可能、最近はネット決済も一般化、プラスチックマネーも普及、という便利さに慣れてしまうと、3G携帯を売るより先にこちらをどうにかして!と叫びたくなります。ちなみに、電話料金の支払いで電話局にいったら、携帯の申し込みにはたくさん人が並んでいました。携帯電話は日本の2~3倍と高額なので、携帯電話ローンというのもあるそうです。そうまでして買いたいなんて、と思いますが、かなりの新しい物好き、のようです。

Friday, September 9

ブティック

ダンス仲間の中国系友人の友人がブティックをオープンした、ということで夜遅めに連れて行ってもらいました。

「ブティック」という言葉から、ちょっとこぎれいな、ガラス張りのショップを想像していたのですが、だいぶ違いました。コンプレックス内のビルの2階の1室。手書きのサインに、お店に入るにはベルを鳴らして、鍵を開けてもらいます。よくいえば、隠れ家的? でも、日本のイメージでいけば、ごったなものがディスプレイされている小さなアウトレットショップという感じ。何度かダンスパーティーでも見かけたことがある彼女の娘らしい、アフロヘアでぱっちりおメメの小さな女の子がお菓子をほおばりながら、うろうろ。時に商品で遊んでしかられるという何ともアットホームな雰囲気。こんな店構えで、基本は口コミのよう。ダンスをする中国系の人たちをターゲットにしているらしい品揃えは、セクシーなものが多く、確かに普通のショップとは違いました。比較的シンプルな黒いフレアタイプのストレッチスカートなどは、「シンプルすぎる」からダンスのパフォーマンスに使うような場合は、無料でスパンコールなどをつけてあげる、といわれました。お客さんはみんなお友達なので、サービスはいいようです。仕入れは、シンガポールあたりからだと思いますが、やはり縫製は雑。せっかく連れてきてもらったからと迷いながらも、激安トップスを購入。といっても、デザインはまぁ気に入ったのですが、ノリではりつけてある模様のラメは、裏側に折り込んだ部分にまでついていて、ざらざらして着心地が非常に悪いのです。それを言ったら、切って、縫い込んでくれるとのこと。結局、後日取りに行くことにしました。果たしてどのようなできあがりになっているのでしょうか。

実は、ここにきて、日用品以外のショッピングは全くといっていいほど、していませんでした。必要なものはたいていあるのですが、欲しいものがないのです。こんなにお金持ちの国のくせに、まともなブランドショップはおろか、デューティーフリーショップもありません。税金がないので、デューティーフリーの意味がないのと、お金持ちは、海外でショッピングしてしまうからなのでしょうか。ベトナムのようなフレンチテイストのセンスのよさもなく、インドネシアなどのような安さや民芸品的なものもなく、シンガポールのデパートのような品揃えもないという、なんとも中途半端なのです。気に入ったものを見つけるのは、相当の時間と根気が必要です。

日本はもう秋物。次に帰国したときは、ショッピング欲が高まっているに違いないのですが、買って帰っても着られないお洋服ばかりになっているのが寂しいです。

Thursday, September 8

先生稼業

昨日は、先日、ベトナム・カンボジアに3週間旅行に行ってきたという英国人の友人とうちで夕食。

先生なので、長期のお休みが頻繁にあってうらやましい限りです。ただ、こちらでの先生というのも、なかなか大変なようです。彼女は、インターナショナル・スクールで化学を教えています。そのため、そんなひどいことはないようですが、公立学校では、かなり生徒がワルだったり、荒れていたりすることもあるようです。生徒に泣かされたとか、ひどいときには「登校拒否」になりそうで学校を変わったという話も聞きます。英語の先生だと日本で教えていたケースも多く、日本の生徒はおとなしくてよかった、また日本で教えたい、といわれることもよくあります。そんなに日本の生徒がマジメでおとなしいとは思っていなかったのですが、比較の問題なのでしょうか。最近、日本では先生もののドラマが多いようですが、彼女たちがああいうドラマを観るとどう感じるのか、興味があるところです。

それにしても、今、先生仲間の間では、ベトナム・カンボジア旅行がブームのようです。インターナショナル・スクール、私立、公立によって、学校のお休みの時期が異なるということで、入れ替わりでベトナムやカンボジアに旅行に行っている先生友達がいます。

私自身、カンボジアに行ったのは、もう6年近く前。アンコールワットやアンコールトムの写真は懐かしかったです。ベトナムで、子豚を何匹もいれたかごをくくりつけたバイクの写真やクモの唐揚げ(!)、ヘビの写真には、笑ったりぎょっとしたり。ベトナムはホーチミンしか行ったことがないため、田舎の様子は新鮮でした。どちらの国でも、戦争関連の博物館等のパンフレットもはさまれていました。東南アジアでの反日感情から、この国を含むアラブ諸国での反米感情などについても話題にのぼりました。英国人の彼女が東南アジアに来る前に受けたアドバイスというのは、まず最初に自分は英国人であることをアピールすること、だそうです。ブレア首相もブッシュ大統領のプードルと呼ばれたぐらいですから、英国だから安全とも思えないのですが、特に東南アジア地域に限定すれば、アメリカ人と間違えられるよりはよっぽどよいということなのでしょうか。

義足や義手の人も、物売りの子どもも、物乞いもいないこの国。毎日車で送り迎えされて学校で学ぶ子どもたち。この国がいかに恵まれているかを感じます。カンボジアで(小銭をもらって)笑顔で写真に写る子どもたちはきっとまともに勉強できる環境ではないはずです。将来は、国際機関などで働くことも考えているという彼女。子どもたちの写真が多かったのも、そういう視点で旅してきたからなのでしょう。ふと、アフガニスタンの事件を思い起こしました。生徒に伝えたい、教えたいという熱意こそ、先生に必要であり、それこそ先生の鑑といえるのだと思います。ただ、それと同時に十分な準備や状況判断は求められます。

思えば、ここでのお友達の多くが日本では「先生」と呼ばれる職業。特に子ども相手の先生稼業は、想像以上になかなか楽ではないようですが、とても重要で魅力的な仕事だと改めて思いました。

Wednesday, September 7

Sit-down comedy

何?という感じですが、英語のStand-up comedyの日本語版。
座っておもしろおかしな話をする、つまり、落語なのです。

昨日は、「英語落語 Rakugo in English」の公演がありました。実はこれまで日本語でも落語をきちんと見たことがありませんでした。テレビでちらっと見たこと、大学時代に落研(おちけん)に入っていた人がいたなーとぼんやり思い出す程度。「ジュゲムジュゲム」など、ストーリーとしては知っていますが、今ひとつピンとこない感じ。伝統芸能にも興味があるので、文楽、歌舞伎などはたまにいっていたのですが、落語はちょっと遠い存在でした。お友達に結構声をかけてしまったのですが、楽しんでもらえるかどうか・・・とちょっと不安なところもありました。

そんな不安は杞憂。古典落語をベースに現代風、英語版にアレンジ、小話風にまとめたジョーク、途中にマジックもはさみ、最後には南京玉スダレ(これも初めて見ました!)と、よくできていました。正直なところ、マジックなしで、落語だけで十分という気がしました。三味線、太鼓、笛などお囃子、伴奏も生で、歌舞伎のような大がかりな舞台装置、道具、衣装はないけれど、十分楽しませてもらいました。落語は、表情、仕草などとともに、言葉のおもしろさがメイン。だからこそ、なかなか海外での公演は難しいのでしょう。それでも、「座ったままで演じる」ことや小道具の説明からはいり、日本人の英語下手を逆手にとったり、日本語の単語を英語の中でうまく使ったり、よく笑わせてもらいました。

笑いのツボ、というのは国、人種、文化などにより少し異なると思います。
例えば、Mr Beanの映画を見たとき、英語の理解という以前に、日本人の私たちにはあまりおかしいと思われないシーンで、英国人たちは大笑い。なぜこのシーンで笑うのだろうと首をかしげたことがあります。日本でも話題になった男性だけのバレエ。これをロンドンで観たとき、フットボールスタジアムと間違えているのではと思ってしまうマッチョなお兄様方、ぴったりの黒の革パンツをはきこなすなどおしゃれな男性たちは、ごく普通のおばさまたちや私たちとは明らかに違うところで妙に受けていました。ジョークには多分にブラックな部分があり、辛辣すぎたり、背景事情や基礎的な知識を知らず、笑えない時もあります。もちろん、バナナの皮ですってんころり、というのを見れば、痛そうと思いながらも思わず笑ってしまう、そんな共通な笑いもあります。

一緒になっておなかを抱えて笑えるというのは気持ちのよいものです。
日本人のイメージは、マジメで働き蜂、ユーモアのセンスには欠けるというものが一般的ではないかと思いますが、こんなコミカルな文化もあるのだということを知ってもらえたこと、そして何よりも私自身再認識できたことは大きな収穫でした。

Tuesday, September 6

Handphone

先日、3G(第三世代)の携帯電話が発表されて以来、毎日、新聞に派手な記事や広告が載ります。
週末に行われた発表会ともいえる打ち上げ式も派手で、皇太子が主賓、アジア地域のMTVにでている有名な(らしい)タレントだかパーソナリティーだかが司会を務めたそうです。基本的に機械音痴なため、第三世代がどのぐらいすごいかということを実感できていませんが、FOMAなどと同じタイプがようやくここでも発売された、ということなのでしょう。

携帯好きはいずこも同じ、という感。
特に、この国では、本体価格も通話料金も高いのですが、やっぱりみんな持っています。たまに、日本並みにすごいビデオカメラ付、カラオケ機能付などというものもありますが、基本は通話とテキスト・メッセージ(SMS)のみ。操作もシンプルです。着メロなんて、あまり耳にしません。サウジアラビアだったか、コーランを着メロにすることを禁止したというニュースがありましたが、そもそもここではそんなサービスがあり、ダウンロードができるのかどうか。もともと入っている着信音のどれかを使っている気がします。通話料金が高いというのはどこでも共通ですが、そうなると、主流はテキストになります。日本はメールですが、GSMのシステムだと、ヨーロッパを含めテキストタイプで共通なので、日本に遊びに行った当地在住英国人の友人にも、テキストが送れなかったと文句(?)をいわれました。メールが送れるほうがPCにも送付できて、むしろ便利という気はするのですが。 GSMは2Gだということなので、他の国と異なって不便ではあっても、第三世代と謳う前からメールもネットもできる日本の携帯は進んでいるということなのでしょうか。そもそも、漢字が使えるというところからしてすごいのでしょう。

ともかくも、私もテキストはかなり活用しています。仕事でも、メールの返事は来なくても、SMSの返事はほぼ確実に来ます。テキスト独特の省略英語にも次第に慣れてきました。例えば、「Tq. C u then.」 とあれば、「Thank you. See you then.」。時に、省略されすぎていて、どういう意味だろうと悩むこともいまだにありますが。

慣れないといえば、携帯電話をhandphoneと呼ぶこと。英国ではmobile phone、米国ではcellular phoneですが、このhandphoneという言葉は、マレー語から来ているようです。マレー語では、分解すれば「電話・手・手(スペルが定かではありませんが、telefon bin bin)」というような言葉で表現されるからです。手で持ち歩くというイメージからでしょう。シンガポールやマレーシアあたりでも、こう呼ばれているのでしょうか。

Monday, September 5

公務員

こちらの政府に勤める公務員の友人宅に招かれました。
長期出張にいく同僚の壮行会、という名で、つまり名目は何でもよいようでした。
いつものとおり迷子になり電話すること2回、たどり着いたおうちというのが、官舎扱い(借り上げというか、家賃のほとんどを政府が負担)なのですが、とにかく、広い!のです。

街の中心から少し走ったところで、川を眺められる丘の上に位置したビラのひとつ。2軒の家がつながっている外観で、まさかこれ?という感じでした。シングルの彼女はおそらく30歳代後半ぐらい。10人兄弟姉妹がいるという大家族だそうですが、海外在勤の際に一人暮らしに慣れてしまって、一人暮らしを選んだとのこと。気持ちは十分わかります。しかも、この家をわずかな自己負担で住めるというのであれば、当然でしょう。それにしても、広すぎて寂しいのではという気がするぐらいです。開放感あふれるテラスのあるリビングからは眺めもよく、どの部屋もゆったり作られています。

この国では4割が公務員といわれ、マレー系は待遇の良い公務員を目指します。マレー優遇政策をとっているので、中国系で公務員になれる人数はごくわずか。中国系の人たちは、民間部門、ビジネスや専門職に追いやられることになります。いずれにせよ、優秀でビジネスの才覚があるので、成功して十分豊かな生活をしている人たちが多いようですが、それにしても、この公務員厚遇には目を見張ります。

友人宅を早めに失礼して、夜は、別の友人たちと夕食。そのうちのひとりは、数少ない中国系公務員。弁護士だった彼は、今の待遇には満足しているけれど、仕事には不満、マレー優遇、年功序列社会で今後の昇進も見込めないので、また民間に戻ろうと思っているといっていました。中国系も少しずつは増えているとはいうものの、まだまだ壁は厚いようです。

この国の人種分業制のような就業体制、今後変わっていくのでしょうか。
ただし、すごいところは、アマ(メイド)が一般的なせいか、女性の活躍ぶりです。女性パワーには圧倒されます。まだトップレベル、管理職レベルまではなかなか育っていない感じもあるので、女性大臣誕生、までにはもう少し時間がかかるのかもしれませんが。

Sunday, September 4

Ceilidh

実は、この国にもSt Andrews Society(スコットランド協会のようなもの)があることを知り、昨夜はそのイベントのCeilidhに初参加してきました。もちろん、スコットランド人でもなく、スコットランドには3週間ほど滞在した以外は少し旅行をしただけという縁の薄さですが、特に資格もなく誰でもwelcome!という会だと聞いて、友人を誘っていってみました。

あまり知り合いもいない、と思っていたのですが、とにかく小さな国、コミュニティーも小さいです。どこに行っても誰かに会います。ましてや、数少ない西洋的、音楽、ダンスという共通項があるイベント、やはりパラパラと顔見知りがいました。

一応、ウィスキーなどのバーも設けてはいましたが、基本は、BYOB(飲み物持ち込み)。スコットランド風というよりはヨークシャープディングなどがあって、むしろイングランド風のビュッフェの食事のあと、バンコクから招待したというバンドの生演奏とお待ちかねのCeilidh(スコットランドのフォークダンス。「タイタニック」の映画で下級クラスの乗客たちが踊っていたダンスのイメージ。)です。もちろん、キルトを着て参加しているスコットランド人メンバーもいるのですが、イングランド、オーストラリア、ニュージーランドなどの人の方が多い感じでした。イングランドを含めて英国人はCeilidhを知っていても、豪州になると、ここにきて初めて知ったという人も多いようです。年齢層は若干高め、ちょっとお年に見えるおじいさまも参加。かなり激しく動き回るので、心配になってしまいましたが、問題なくニコニコと楽しかったね、とおっしゃっていました。多少、テンポが遅れたり、ステップを間違えたりは、ご愛敬です。

バンドの構成もおもしろく、リーダー格のオーストラリア人のギタリスト、アイルランド人のアイリッシュ・バグパイパー、そして、もう一人は日本人のバイオリニスト。最後に少しだけ話す機会がありましたが、「初めて来ましたが(普通、そうだと思います・・・)、いいところですね!」といわれて、一瞬、日本人の友人と顔を見合わせて、「・・・。そうですね、たまにリゾートとして来るのであれば・・・」。

盛り上がった会も夜中近くには人がまばらとなりました。ちょうどスコールも止み、いい運動で汗もかき、疲れたところで帰路に着きました。スコットランドのバグパイプがなくて、ちょっと残念でしたが、音楽も雰囲気もよい楽しい集まりでした。

Saturday, September 3

浴衣

最近、ちょっとフォーマルな場に浴衣を着ていっています。
昨日も、夜は浴衣を着てレセプションに出席しました。

浴衣は本来フォーマルではありませんが、この国でのドレスコードであれば、許されるかしらという感じです。だいたい、スマートカジュアルなる不思議なドレスコードでは、男性はバティックシャツです。沖縄でもアロハが正装、日本だってクールビズ、浴衣は一応「National Dress」だし、こんな暑い国では浴衣だってセミフォーマルぐらいの扱いでは、というよくわからない理屈付けで着てしまっています。幸い、そんな略式のものを着てくるなんて、と目くじらを立てるような人もいませんし。

まあ、これが、また受けるのです。着て来て欲しいというリクエストも結構あります。アジア各国のNational Dressは相当華やかです。バジュクロン(マレーのだぼっとしたお洋服)はともかくとして、フィリピンのオーガンジー素材のバタフライスリーブのドレス、インドネシアの地方ごとにかなりバラエティに富んだドレス、ベトナムのアオザイ、インドのサリー、タイやラオスのシルクのロングスカートなどなど。お国柄、特にフォーマルな場では、体の線がでるものやノースリーブ、胸のあいたドレスはNGですが(特に自分が居心地が悪いです)、その分、ビビッドな色が余計に目につきます。その中で、浴衣程度では、と思うのですが、帯のせいか、他に誰も着ている人がいないせいか、とにかく注目を浴びます。

女性はやはりドレスには関心があるもの。まず聞かれるのは、いくらぐらいするのか。この国の人は、よく値段を聞きます・・・。もちろん、どのようにして着るのか、ひとりで着られるのかなど。そして、これは、あまり想像していなかったのですが、どうやって作るのか、どれぐらいの布地が必要か。オーダーメードが一般的で、自分でお裁縫をする人も多いので、こういう質問がでてくるのでしょう。残念ながらお裁縫の苦手な私は、浴衣を作ったことがないので、作り方の説明はとてもできませんが。

ちょっとしたフォーマルな場に浴衣を着ていくもう一つのメリットは、暖かいこと。手も足も剥き出しになっていないのは、イスラム的に○であるばかりでなく、クーラー対策にもばっちりです。浴衣は涼しげ、といっても、やっぱりノースリーブのワンピースを着るより、よっぽど暑いですから。

ひとつの問題は、運転が大変なことです。あとは、アイロンかけ。これが楽だと、もっと頻繁に着ていってもいいのですが。とりあえず、今は2枚しか持ってきていませんが、日本からもう少し浴衣か洗える着物でも持って帰ってくるか、迷うところです。

Thursday, September 1

在外選挙

今日は、モハメッド昇天祭で祝日。週の中頃にお休みがあるのはいいものです。
あまりやることがないこの国よりも、日本にいたときのほうが切実に感じましたが。

昨日から在外選挙が始まりました。
海外在住の場合、比例代表のみなので、政党にしか投票できません。
自分の最後に居住していた地域の選挙管理委員会に所属することになるので、小選挙区のほうにも投票は可能だとは思うのですが。まだ在外選挙そのものが開始されたばかりなので、事務的に大変、とかそういう理由なのでしょうか。

ともかく、投票はすませました。普通よりも、ちょっと面倒です。まずは、登録証と身分証(パスポートなど)を持参して、受付をします。最初に渡された封筒と用紙に必要事項を記入したあと、それと引き替えに、投票用紙とまた封筒を2枚もらいます。無記名の投票用紙そのものをいれる封筒を含めて、封筒は計3枚になり、封印を2回まで自分でします。権利を行使できるというのはすばらしいことですし、当然といえば当然なのですが、在外選挙を実施するために、かなりの経費がかかることを考えると、義務としてきちんと投票すべきだなとも思いました。

日本にいると、選挙といっても、ついつい、貴重なお休みだからと遊びに行ってしまったり、雨が降ってきたからでかけるのがイヤだなと思ってしまったりしますが、今回は結構注目を集めている選挙、9月11日の投票率はどの程度になるのでしょうか。