この国らしいものは何? お土産には何を買ったらいい? この質問にはかなり困ってしまいます。
石油以外にとれるものはわずか。キラキラ華やかなイメージと異なり、宝石や金などがとれることもなく、加工技術も進んでいません。ハンディクラフトといえるものも、周囲の国からの輸入品がほとんど。
今日帰っていく友人たちにも最初に聞かれましたが、結局彼女たちも、お菓子と切手以外は、周囲の国でつくられたスカーフ、小物などを買ったようです。小さな国ですが、ある意味、歴史的には島ひとつ一緒、と考えれば周囲の国のものまで「このあたりの」お土産ということはできるかもしれません。そうすると、お菓子、香辛料、ハンディクラフト、雑貨、家具などに至るまで、対象を広げることはできます。日本も、実際は、純粋にMade in Japanといえるものが少ないですが、ここでも範囲を狭めると全く何も買えなくなります。
お土産として、というよりも、こんなお店がと笑えるのは、日本の100円ショップグッズを扱っているお店。日本の100円ショップで売っているそのままのパッケージの状態のものが、3~5倍の値段を付けて売られています。このお店、置いている商品が他と違うので、ディスプレイに目を引かれ、少しあか抜けているかしら、ちょっとおしゃれなものが売っているかも、と思って入っていくと、実はほとんどの商品が100円ショップグッズ。100円ショップの偉大さ(!)を感じます。
日本の電化製品などの性能の良さから、アジアでは、日本のメーカー、ブランド名に似せた名前やロゴを使った製品はあふれています。また、コピー商品や海賊版だけでなく、マレーシアなど周辺国でつくられたお菓子や日用品には、訳もわからず日本語が書かれていて、それが「おしゃれ」であったり、「品質がいいのではないか」と思わせる手法のようです。時には思いっきり間違っている日本語表記。それでも、昔、日本でも平気で間違った英語の書かれたTシャツを「かっこいい」と思って着ている人が多かった時代を思い起こせば、一緒なのでしょう。ちなみに、日本語の書かれたTシャツも結構人気です。欧米人も漢字のタトゥーが「Cool!」だといって、「恋」のつもりで「変」という字を入れてしまっているとか、自分の名前らしきあて字が、鏡文字になってしまっているとか、そんな誤解はたくさんあります。
それにしても、この100円ショップグッズ輸入ショップは、安売り・均一の「1ドルショップ」ではなく、日本のものを扱っているおしゃれなお店、というイメージ路線です。その実、Made in Japanはひとつもないのですが・・・。直接、中国などから輸入すれば、よっぽど安く売れるはずですが、日本人的なセンス、日本語のタグといったものが、不思議な付加価値を生み出しているのです。ただ、置いてあるグッズは、おそらく、日本の100円ショップで売れなくなった在庫などを中心にまとめて引き取ってきているのでしょう。中には本当にここで使われるのだろうか、というような商品や、日本語のみの説明書きで使い方がわからないのでは、という商品もあります。
とても、お土産にはなりませんが、この国ではこんなものが流行っているというのを見るのは、意外におもしろいものです。
2 comments:
Chestnutsさん
こんばんわ。
100円ショップが人気なのですか。シンガポールでタッパウェアのような入れ物を買い求めたとき、思いっきりmade in Malaysiaと書いてあって、日本で珍しがられました。
made in Chinaばかりではないのだと感じたのです、実は。
脳天気さん
100円ショップが人気、というよりも、日本製品及び日本製品もどきが人気、という感じです。100円ショップの商品が、立派にディスプレーされて100円以上の値段で売られていますから。実際はどこでつくられていようとも、日本製らしい、ということがポイントのようです。
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