Thursday, September 29

ラマダン

あと数日でラマダン(断食月)が始まります。

昨夜夕食に招んでいたマレー系の友人に聞いてみると、最初の何日かがつらい、のだそうです。
そのうち、生活リズムができてきて、ランチの時間には多少空腹でも夕方頃にはそれほど感じなくなり(確かに、おなかが空きすぎてピークを超えると空腹感はなくなります)、日没とともに食事をすれば大丈夫だといいます。人によっては、日没に食べ、その後もスナックなどをつまみ、夜食をとり、さらに夜明け前に重たい朝食をとるということですが、これは太る原因。彼女は、日没後の断食明けの食事以外は夜明け前にミルクを一杯飲むだけだそうです。本当に、そんな食生活で1日のエネルギーがまかなえるのでしょうか・・・。日本人のスタンダードからはやっぱりちょっとふくよかな彼女、ラマダンでダイエット、と張り切っています。ラマダン中もダンスのレッスンは続ける、というのですから、見上げたものです。おなかが空くと、何も考えられなくなる私にとっては、とても信じられません。

日本でもプチ断食がブームで、これは、デトックス効果、解毒と体の調子を整える効果があり、食生活や生活習慣改善にも役立つといいます。でも、イスラムの断食は、この暑い中で水も飲んではいけないのです。当然、昼間はクーラーの効いた部屋でほとんど動かず、仕事もしない、非効率な毎日となります。外に出ていたら脱水症状を起こしてしまうでしょう。ラマダン中の昼間の街はとても静かです。

子どもに何歳から断食を始めさせるかはその家の方針によるようです。早ければ3歳ぐらいから、まずはオヤツを食べさせない、といったレベルから慣れさせるそうです。確かに小さい頃からやっておけば、できるようになるのでしょう。例外として、女性は妊娠中などの場合には断食をしなくてすみます。旅行中もやらなくていいそうです(だから、いつも国王は英国に逃避旅行しているのでしょう・・・)。免除された部分は、あとで、適当に補えばよいそうです。

友人は数年間ヨーロッパで生活していたのですが、「旅行」でなくて「住んでいた」のでその間もやっていたそうです。みんながやっていないところでやるのは大変では、と思ったのですが、実は楽な断食だったといいます。ヨーロッパの冬は日照時間が短いので、普通に朝食をとって、ランチを抜いて早めに夕食をとればいい、といわれて、思わず納得しました。仕事も忙しくて、気がつけば夕方という感じだったそうです。ただ、逆にいえば、イスラム歴は年によってずれてくるので、夏にあたることもあります。そうなったときはどうするのでしょう? 夜の10時になっても明るい空をおなかを抱えて恨めしげに眺めることになるのでしょうか? さらにいえば、もしも、白夜の北欧で生活する敬虔なイスラム教徒がいたら・・・。1日中、全く飲むことも食べることもできなくなってしまいます! さすがに、そういうときは、母国の時間でやるなど融通を利かせるようですが。

友人は、まさにラマダン期間中、私自身の一時帰国日程と重なって日本訪問予定です。
今回は、「旅行」にあたるので断食はしないことになります。日本食もかなり好きな彼女。
そうすると、ダイエット計画もなかなか難しいのかもしれません。

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