Sunday, July 9

モナコ・モンテカルロ・バレエ

 久々のバレエ。

 シンデレラだったのですが、かなりモダンなバージョン。「大人のシンデレラ」という感じでした。

 コスチュームも近未来的。宇宙人か昆虫系?ともいえそうな不思議なチュチュ。チュチュというより、張りのあるオーガンジーのような素材一枚をレオタードにちょっとつけているだけ。シンプルな白を基調にしたステージは映像と照明で変化をつけていました。

 ストーリーの解釈もおもしろくて、シンデレラの父、というのがかなり重要な役目を果たしているのです。最初のシーン、まずしい身なりをしたシンデレラ、白い布のようなものを持っています。その横で、白いドレスの男女のダンス・シーンが始まります。幸せそうなのですが、途中、女性は倒れてしまいます。しばらく観続けるまで気づかなかったのですが、シンデレラの回想シーン、シンデレラの実の母の死、でした。このとき、シンデレラが抱きしめていた布は、白いドレスでした。そして、ラスト・シーンも印象的。ステージ中央の階段上部分のトップで、黄金の衣装を身にまとった幸せなシンデレラと王子、その左下には、ひとりさびしく白いドレス(シンデレラが最初のシーンで肌身離さないという感じだったドレス)を抱きしめて悲しみに浸る父。この直前に父が亡くなった最初の妻であるシンデレラの母を追慕し、彼女の幻想とともに踊り、彼女が消えたあと、二番目の妻(意地悪な継母)につらくあたるシーンもあります。ストーリーを通して、シンデレラの実の母は仙女(妖精)としてシンデレラを幸せに導き、最後はこの世に残していった夫の心も乱していきます。今回のシンデレラの主役は、完全にシンデレラの母、でした。そういえば、父のほうも、父なのにとても若くてハンサムなダンサーで、王子よりも目立っていた気もします。

 久しぶりのシンデレラだったので、自信がないのですが、音楽もかなり違うものを使っていた気がします。レニングラードなどの正統派路線の作品とはふた味ぐらい違った感じでした。思いっきり見せ場となるような踊りのシーンはなかったのですが、踊りと音楽にあわせて流れるようにストーリーを動かしていく感じでした。

1 comment:

chestnuts said...

thonちゃん
結構よかったですよ。ダンス好きの人の間では評判のものらしく、演出も悪くなかったです。直前割引などがあったらちょっと冒険しても意外に楽しめると思うわ。