Thursday, March 8

投扇興

 こんな遊びがあったの?と驚きです。

 お知り合いになった方が、投扇興というものをやっていらっしゃると伺い、興味津々。和モノは結構好きですし、なんだか素敵そうと思って、例会にお邪魔させていただきました。例会の場所は正直なところ、かなり入りづらい感じ。新宿の雑居ビル内。シアターと名前がついているのですが小さなライブハウスかパブのような雰囲気のお店。扇を投げる遊びと聞いて、蹴鞠のような雅なイメージだったので、ちょっと・・・と思いました。

 それでも、ステージには赤い毛氈。毛氈のちょうど真ん中に木の台、枕のようなものがあり、その上に小さな扇の模型のようなものが載っています。簡単にいえば、手持ちの広げた扇を投げて、木の枕の上の扇を落として、その落ちたときの形で点数を競うゲーム。喩えればダーツのようともいえます。2人での対戦型なので、毛氈の左右に対戦相手が、中央には「行司」が座って、落ちた形の判定をします。お茶をやっているとお扇子を投げるなんて・・・と思いますが、もちろん、専用のもの。投げるというか、押し出すというか、これがかなり難しいのです。まず、持つところから特訓。ついつい力が入って「投げて」しまいますが、前に押し出そうとするとうまくいきません。なんといっても軽く「扇形」なので、まっすぐには飛びません。回転をかけて、下の台には当てず上の扇だけを倒すなんてありえない、と最初は思ってしまいます。懇切丁寧な指導を受けて、ようやく、たまに当てられるようになりましたが、余計なところに力が入るので右腕筋肉痛は確実。

 ダーツと大きく違うのは、単に当てるだけではなく、落ち方が重要なこと。雅なのは、源氏物語の各帖の名前がついているところです。「花散里につき1点」「行幸につき4点」なんて、やっぱりいい感じです。こんな落ち方することあるのだろうか、みたいなものもありますが、練習と集中力を要するゲームなのでしょう。

 かつて賭け事として相当人気がでた時代もあったということですが、現在の投扇人口はかなり少なそうです。これからジワジワ流行る、かどうかはわかりませんが、またやってみてもおもしろいかな、と思いました。

 

1 comment:

Anonymous said...

雅やかだねえ〜。実際に体験するなんてすごいじゃない!!