鶴田真由さん主演のお芝居にお誘いいただきスズナリヘ。
小劇場の常ですが、快適とはいえない空間ですが、一体感を感じられる距離。鶴田さんの役どころは、婦人服の仕立屋を営む足の不自由な嫁ぎ遅れの姉。複雑で、ちょっとエキセントリックな家族や人間関係。詐欺女に身ぐるみはがされ、会社もクビになった弟に、子供たち置いてでていってしまい3度目の結婚をしたのに、また離婚して出戻った母親。姉の幼なじみで、妻と離婚できないまま転がり込んだ男という舞台は4人のみで繰り広げられ、かなりパワフル。それぞれ、おさえていたものが爆発りたり、みんなが影の部分を持つ、ダメ家族。お芝居の最初からセットの一部になっているウェディングドレスが象徴する、「幸せ」。いろいろと考えさせられるお芝居でした。最後は、ハッピーエンドというのがちょっと意外な気もして、でもちょっとほっとしたり。それが甘いアジアン・スイーツという題名なのかしら、と。
その後、駅周辺再開発でもうじきなくなってしまうという、もともとは映画のセットだったそう。昭和のにおいがぷんぷんするような「うさや」に。まんじゅう、団子の看板で、あれ、ここ?とびっくりします。このお店だけでなく、周囲のお店を含め一帯がレトロ。本当に小さなお店ですが、お店と外の境目も微妙。なかなか開きづらい硝子戸をガラガラとひいて席につきます。1階はテーブル一つで相席。2階もあるそうですが、あがる階段はちょっと怖いかも・・・。なんとも不思議なお店。お料理はお任せのみ。こんな(失礼!)お店にしては、繊細なお料理が素敵な器で出されます。柿や梨を使った白あえなど。居酒屋というより、割烹という感じ。外国人のお客さんも意外と多いというのも何となく納得。
アジアン・スイーツというちょっと塩辛く甘いお芝居のあと、昭和の雰囲気満載の不思議なお店という、ある意味、とても下北らしい、ここならでは、の体験ができた日でした。
No comments:
Post a Comment