Tuesday, November 29

Cruise

月曜日の夜は、東南アジア青年の船のレセプション。
日本の政府主催の東南アジア地域の若者たちの交流を深めるためのクルーズです。
あいにくの雨。一時期はワイパーがあまり役に立たないほどのストーム。
でも、心配する必要はなく、レセプションは船内でした。甲板だったらびしょぬれになるところでした。

レセプションでは、日本と東南アジア各国からの参加者は、それぞれお互いの民族衣装を交換したり、日本人参加者は途中寄港地のベトナムでおそろいで仕立てたアオザイを着ていたり、とても明るくにぎやかな雰囲気でした。この船のつながりはとても強いらしく、船のalumniの活動も活発で、参加者がその後リーダーとして参加することも多く、船に乗っていたということで日本・東南アジアあちこちに頼れる友人がいるということになるそうです。いくら7階建ての豪華客船とはいえ、航海中は船からは降りられないわけですから、ある閉鎖された空間、参加者が皆若いこともあり、いろいろとロマンスなどもあるらしいです。

船に乗り込むときには、かなり厳しいセキュリティ・チェック。そして、手の消毒。
鳥インフルエンザ流行地域を通ってきているのですから当然といえば当然です。
そういえば、SARS騒ぎのとき、日本に寄港した船がやはりSARS感染地ルートで到着し、SARS患者発生との連絡があり大変だったことを思い出しました。結局、SARSではなくて事なきを得ましたが、本当にヒヤヒヤしました。鳥インフルエンザは当地では発生していません。何事も後ろ手にまわりがちなこの国の政府も、近隣諸国のみならず世界的な注目に、さすがに最近はセミナーを開催するなど、対応策の検討を行っています。どの程度、有効かというのはまた別の問題ですが。

この日、あまり考えてはいなかったのですが、私自身も、以前ベトナムでオーダーメードしたワンピースを着ていました。布やデザインが日本人好みということもあり、いろいろな方にどこで作ったのか聞かれ、ベトナムと答えると、皆行きたいけれど今は鳥インフルエンザが・・・という反応。私自身も来年あたりまたベトナムに遊びに行きたいと思っています。その頃には少しはおさまってくれていればよいのですが。

船酔いが怖いので、船旅には躊躇もありますが、豪華客船クルーズはやはりあこがれです。
何年先、おそらく何十年先になるかもしれませんが、いつか余裕がでたときに。
そのときには、SARSも鳥インフルエンザも、そして新たな感染症も起こらないことを祈りたいと思います。

Monday, November 28

Jewellery & Classics

イベント続きの週末。

日曜日は、ローカル・アーティストの作品を展示販売する会を開いているおうちがあると聞いて、行ってみました。教えられたあたりまでたどり着いたものの、どのうちかわからず。そもそも、住所だけで、誰のおうちなのかすら忘れていました。どうしようかと一思案。あきらめて帰ろうかと思ったら、ちょうど、いかにもそのおうちから帰るという感じの白人のおばさま二人が車に乗り込んだのが見えました。とりあえず、聞いてみようと、慌てて車の窓を開けると、顔見知りではないと思ったのですが、向こうは知り合いに答えるように、あのうちよ、とほとんど何も聞かないうちに教えてくれました。土曜日のコンサートに来ていたのか、どこかで会っていたのか、向こうはこちらの顔を知っていたようで、当然目的地は一緒とわかってくれたようです。

チャイムを鳴らすとすぐに満面の笑みを浮かべて出迎えてくださったご夫婦。よく来られたわね、来られてよかったわ、と大歓迎。やはりコンサートに来ていたらしく、こちらは全然相手の顔もわかっていないのに、なぜか名前まで覚えていてくれました。コンサートに出演していた日本人はひとり。いちばん人数の多いソプラノのひとりとはいえ、プログラムの名前はアルファベット順で筆頭だったのと、目立つ名前だったので覚えていたのでしょう。

眺めのよい高台にあるおうちのリビングには、シルバー・ジュエリーやペーパー・クラフト、クリスマス・オーナメントを中心とした作品がディスプレイされ、飲み物やチーズ、ミンスパイ、チョコレートケーキなどのリフレッシュメントも用意されていました。作品はなかなかセンスがよく素敵。ただ、普段シルバーは身につけないので、デザインは気に入ったのですが、結局ハンドメイドの紙で作ったカードのセットだけ購入しました。中国系のアーティストの彼は、ボーダーを超えたお隣のマレーシアがベース。自宅を工房にして、ショップも持たず、自宅や友人宅等のみで販売をしているとのことでした。その後、友人もやってきて、結構皆クリスマス・ギフト用に買っていました。コーヒーやケーキをいただきおしゃべりしたあと失礼しました。とりあえず雰囲気を見に行ったという感じでしたが、日本でも十分通用するデザイン。シルバー・ジュエリー好きがいれば次回はプレゼント用に購入したいと思います。

そして、夜は、トヨタが東南アジア地域で隔年開催しているクラシック・コンサート。ハンガリーのオペレッタ・オーケストラ。まずは、リフレッシュメントから始まり、席に着くようにいわれてから30分後、ようやく、Guest of Honour到着、その後、スピーチが続き、チャリティーのセレモニーがあり、ようやくコンサート開始。おかしかったのは、オーケストラはステージ上にスタンバイしているのですが、その目の前、観客向きにセットされたイス。そこに、スピーチをする主賓やトヨタの関係者などが座ったのです。さすがにそのままコンサートが始まることはなく、もちろん、スピーチなど終了後、イスとその下の赤絨毯は撤去されましたが。

クラシック・コンサートのイメージを若干裏切る内容でしたが、楽しめました。こちら向けにアレンジされていたのでしょう。ソプラノとテナーの歌手が2人ずつ、さらに、ダンサーが4名。踊りあり、パフォーマンスあり、曲目も、クラシック以外にもミュージカル・ナンバーや地元の曲のアレンジも。というより、むしろ、そちらの方が多かったかもしれません。ハンガリーらしい曲には、民族衣装を身につけたダンサーたちのダンス。テンポのよい曲が多く、エンターテイメント性の高いコンサートでした。このコンサートはもちろん、検閲を受けています。明らかに、普通は身につけない長袖のレオタードをドレスの下に着ていたり、ロング・グローブをしていたり、ドレスの裾があまり上がらないように2重にされていたり、といった「工夫」が見られました。いろいろといっても、とにかく、久しぶりにオーケストラの音色を楽しめたことだけでも十分でした。

普段はなかなか楽しめないショッピングとオーケストラの両方を楽しめた貴重な日曜日でした。

red & gray

土曜日はChiorのコンサート。

結構人の入りもよく、楽しく歌うことができました。
共通してみんなが言っていたのは、練習した時間の割にあっという間に本番が終わってしまったということ。まだ、他の人たちはもう1回歌うチャンスがありますが、私は2回目には参加できないため、本当にこの1回切り。終わってからも、曲が頭をぐるぐる回るのですが、もうこうして歌うことがないのは(勝手に歌うことはもちろんできますが)残念でした。

おそろいのTシャツなどそろえることもあるらしいですが、今回の衣装は、トップはred、crimson、scarlet、ボトムは黒の指定。ショッピングモールに探しに行ったのですが、適当なものもなかったし、ムリに気に入らないものを買ってもと思い、手持ちのもので済ませることに。「赤」というのはかなり幅があって、くすんだ赤がbest、オレンジやピンクはダメ、と最初に言われた気がするのですが、ふたを開けてみると、当日はそれなりに色々。私は、ベロアのワインレッドのスリーブレストップにシフォンの黒スカート(実はダンス用)。一応、ムスリムのゲストもいるだろうけれど、プライベートな集まりだからノースリもOKとの確認はしてありました。全般に、いわゆる、「赤」のシャツやブラウスに、黒のスカートやロング・パンツが主流でしたが、ダーク・ピンク、ピーチ、オレンジも1人ずつぐらい。それでも、何となくはまとまった感じになっていました。赤が集まるとやはりインパクトがあります。ダンス・スタジオのバレンタイン・パーティーのテーマも赤でしたが、そのときのことを思い出しました。

chiorのほかに、ソロや、楽器演奏などを組み合わせて、なかなか楽しめるコンサートになっていました。そして、コンサートが終わると、22時近く。友人に急いで連絡。Hari Raya Messなるものに誘われていて、遅くてもいいから迎えに行くといわれていたのでした。

Openhouseとの違いもよくわからず、とりあえず連絡をいれました。家に戻って、衣装からロングのワンピースに長袖カーディガンに着替え。色は意識したわけではないですが、落ち着いた濃いめのピンク。雨の中、迎えに来てくれた友人の向かった先は、陸軍キャンプのひとつ。普段は結構セキュリティが厳しいらしいゲートを通過、食堂らしきところにつき、そこが会場とのこと。彼女の、かなりseniorなポストにいるという友人が出迎えてくれました。通常のopenhouseと同様に、食べ物があり、こんな時間にと思いつつ、勧められるままお料理をとって、甘いテタリとよばれる紅茶とともに頂きました。そのうち、カラオケが大音量で始まりました。

周りを見回したり、話を聞いたりしているうちにわかったのは、そこが、国防省・軍に所属する独身女性ばかりが住む寮などの食堂であるということ。寮といっても、ホテル並みの施設らしく、プールもあり快適だそうです。ふと気がつくと、grayが目立ちます。かなり年配の女性と友人と私など「外部」を除くほとんどの女性が同じ布で仕立てたバジュクロン(もどき)を身につけていました。相当地味目なグレーに花柄がはいったもの。どこの省などでも、制服のように布が支給されて、自分にあうように仕立てるのはごく一般的。目を見張ったのは、その個性的なこと。それだから、すぐには支給の布と気づかなかったのです。オーガンジー素材の同色の別布でガウン風な上着を作っていたり、裾に別布を使ってみたり、斜めカットでレイヤーにしてみたり、とにかく相当自由に着こなしています。部分的にスパンコールやビーズで飾る程度では、目立たないほどです。思わず目が点になってしまったのは、グレーの布は身頃だけに使い、袖は白布でひらひらと広がらせ、黒布で作ったマーメイドスカート風なものを別に身につけている人。奇抜すぎて、伝統的な衣装とはかけ離れています。基本の体の線が出ない長袖、ロングスカート・パンツという概念も危うい感じです。それでも、残念ながら、まねしたいと思うほど、素敵なデザインはあまり見かけませんでした。

服装だけでなく、個性的な人が多く、この国にもこんな集まりがあったというのにとにかく驚きました。つい先日、やっぱりconservativeな人たちだと思ったばかりだったので。ただ、やはり「独身女性武官」の内輪の集まり。国防省の副大臣(男性)がカラオケを熱唱し、ニコニコと私とも握手をして帰っていく、ちょっと特殊な場。おそらく、これを着て外に行くわけではないのでしょうし、いつでも副大臣のカラオケにピューピューと口笛をならすノリ、ということは、ないのだとは思いますが。

messと聞いたときに、「混乱」という訳がすぐ浮かんできたのですが、あとで辞書を引くと「主に陸海軍での食事仲間、食事、会食堂」という意味があることがわかりました。それでも、あの雰囲気は、もしかしたらその二つの意味の掛け詞なのかもしれません。

redとgray、とにかく対照的なイベントを一晩のうちに体験してしまいました。特に、陸軍キャンプの女の園は、不思議な世界でした。

おもしろかったですが、とても長い夜、でした。

Saturday, November 26

Saxofone

昨日のコンサートでは、初めて、クラシックのサックスというのを聞きました。
英国人でBBC2などでも活躍中という若手ミュージシャンの二人組によるコンサート。
女性のほうが、サックスとトランペットを演奏し、男性の方がピアニストでした。

サックスといえば、ジャズのイメージ。最初は、ジャズやミュージカル・ナンバーなどもあったのですが、最後の方は、あまり聞いたことのない現代作曲家のサックスのためのクラシック。幻想的な音色で、素敵でした。特に、ケルト音楽がよかったです。サックス=ナベサダのイメージが強くて、女性が演奏というのに驚いたのですが、ちょうど、そのあと読んだ日本の新聞でも、最近はサックスを習うのが若い女性に人気という記事。肺活量もいるでしょうし、フルートを挫折した経験から、手を出そうとは思いませんが、ちょっと吹けたらかっこいいなぁとちらっと思いました。彼女の軽妙なトークも楽しく、さすがに顔を結構真っ赤にしながらの演奏でしたが、安定した気持ちのよい音色に酔うことができました。

楽器についてあまり詳しくないのですが、金管楽器の古いものは、エアコンには弱いとのこと。楽器も土地に根付いた文化のひとつ。当然、その気候風土に、あう、あわないがあるのでしょう。そういえば、子どもの頃に買ってもらったピアノも日本製ではなかったため、梅雨時になると鍵盤が沈んだまま戻らなくなって困りました。解決方法としては、ドライヤーでピアノの内側を乾燥させること。要は、鍵盤の逆側についている部分(何と呼ぶのでしょうか)が湿気を含みすぎて、バランスを崩してしまっている状態だったのです。日本製であれば、日本の気候に対応できるようにアレンジされていたのでしょうが、ヨーロッパ製だったため、湿度に極端に弱かったようです。

ちなみに、昨夜使われていたピアノはカワイのもの。会場の天井が低かったせいもありますが、ミニ・ステージ上のピアノは、一応グランド・ピアノなのですが、ピアニストの彼がとても背が高かったせいもあり、妙に小さく見えました。サックスとトランペットもよかったですが、ピアノの音はいつ聞いても心地よく、ソロもよかったですし、しっかりとサックスとトランペットを盛り立ててもいました。偶然らしいのですが、同じ街出身という二人、本当に子どもの頃から友達ということで、今も「友達」だといっていましたが、とても息のあった演奏でした。

Friday, November 25

Conservative

基本的にはConservativeな国民性。
大きな変化は望まないけれど、でも、新しい物好き。

昨夜は仕事がらみのdinnerで、また、不思議な和食を食べながら、同世代ぐらいの若い人たちと話しながら感じたこと。

中国系の人はもちろん、海外生活が長かった人たちは、たいてい、食べ物に対しても受容性が高く、和食でもお刺身なども全く問題なく、何でも手を出します。それでも、やっぱり食べ慣れないものについては受け入れられないという人もいますが、その割合は、意外に少ない気がします。彼らは、きっと外にでてしまえば、多少ハラルでないものでも気にせず口にできるのでしょう。豚がはいっていても、はいっていることを知らないで食べれば問題ない、と聞いたことがあります。つまり、調味料にアルコールがはいっていても、ノン・ハラル・ミートであろうと、それを知らなければよいということ。でも、知っていて口にしたことがある人もかなりいるのではないでしょうか。大きな声では言えないけれど、ということなのでしょう。

しっかりスカーフをかぶっている人がいる一方、ムスリムでも、服装も意外に自由にしていて、あまりフォーマルな場でなければ、腕が剥き出しになっているようなトップを着ていることも。これも、国外に出てしまえば、さらに気にせず、逆にいえば、スカーフが目立つ場合には、外してしまうのかもしれません。

いろいろと制約のある生活。それでも、若い世代は特に新しいものが好きで、外国への関心も高く、流行には敏感です。ただ、やはりあまり目立つことは避けているようです。周囲の目を気にしていて、横を見ながら行動している気がします。許される範囲、を決して超えないように。

小さな国。まさに村社会といえるサイズの街。知り合いの知り合いは必ずどこかでつながっていて、噂には尾ひれがついてあっという間に広まっていきます。そんな中では、保守的にならざるを得ないのかもしれません。自分の意見や本心を言う人は少なく、みんな同じ方向にぞろぞろと動いていきます。グループ行動が多く、固まりがち。

日本にはもっと自由があるし、最近は、個人や個性が以前より目立ってきているものの、実は、結構日本人と共通しているかも、と思うこともありますが。

Thursday, November 24

リハーサル

昨夜は最後のリハーサル。

初めてのコンサート参加になるので、プログラムの全体像もわかっていないのですが、バイオリンなどのミニ・オケ付で歌う歌と、Chiorだけのもの、さらに、楽器の演奏、ソロなどが組み合わされているようです。音楽の先生など混じっているとはいえ、所詮アマチュア・グループの発表会。仕上がり的にはまだまだ、ですが、あとは直前リハを残すのみ。聞きに来る方も知り合いばかりなので、基本的にはプロに対して求めるようなものを期待しているわけではなく、気軽なコンサート、社交の場の延長だからよいのでしょう。

女子校だった中高時代に聖歌隊に多少入っていたことがあるのと、ジャズ・ボーカルのグループレッスンを何度か受けたことがあるぐらいだったので、混声合唱は初めての経験。4声がうまくハモれているのを聞くのは気持ちがよいです。土曜日は皆と一緒に楽しく、気持ちよく歌えたらいいなと思います。

ちなみに、会場は、会員制のスポーツクラブのダイニングホール。音響もよいわけではないですが、ちょうどよい広さで手軽に借りられて、しかもちょっとしたケータリングもできて、という条件に合うところは少ないのです。

そういえば、この国で行う文化行事などはすべてCensorship Boardの検閲を受けなければならないはずです。さすがに、チケットを販売しているとはいえ、セミ・プライベートなコンサートなので、検閲の必要はないようです。この検閲、たいてい、お茶とお茶菓子を準備するということで、しかつめらしい顔だけして、単にエンターテイメントを楽しみながらお茶を飲みに来ているだけじゃないかという話も結構耳にします。それでも、衣装やパフォーマンスの内容など、変更や中止を求められることはあるそうです。郷に入っては郷に従え。厳格なイスラムの戒律を維持しようとする国で、その文化を尊重することはもちろん重要だと思います。でも、もう少し他の文化への寛容さを見せた方が、国の文化的な成熟度は高まるのではないか、という気もします。

Wednesday, November 23

AGM

Music Societyというもののメンバーになっているのですが、昨夜は年次総会。

もともと会長を務めていたアメリカ大使の帰国後、Chiorの指揮者でもある音楽の先生が会長。
コンサートそのものには1/3ぐらいしか行けなかったのですが、せっかくなので会の運営を見てみようと思い、その後のdinnerにも惹かれて出席してみました。

約100名のメンバーのうち1/3弱の出席率。活動報告、収支報告、今後の方針、役員選出など、1時間弱でしたが活発な意見も交わされ、小さいながらもしっかりした組織としてやっているのだとわかりました。なにより驚いたのは、実は、32回目の総会だったということ。なんと、73年設立。その頃から、音楽文化に触れたいexpatたちがおそらく細々と、でも、このように熱心に活動してきていたというのに、あまりこの国の人たちの関心が高くならないというのは残念なことです。為替レートの影響や、ミュージシャンたちのギャラが高額になりつつあることから、会の運営も楽ではないようでした。それでも、入場料は値上げをしたくない、学生料金の設定は維持するというところに、敷居を低くして文化に触れる機会を高めようとする思いが伝わってきました。コンサートのすべてのレベルが満足いくものとはいえないものの、コンサートに行くという形で、自分自身が楽しむとともに、微力ながらも協力していきたいと思いました。

総会後は、dinner。expat専用といえるクラブでの開催だったので、dinnerのほうもまぁまぁのお味でした。いろいろと選択できてサーブされて出てくるのはよいのですが、そのサービスの遅いこと。いったいいつになったらスープは出てくるのだろうという感じでした。3コースのデザートがでる頃はかなり遅くなっていて、食べ終わると皆パラパラと席を立っていきます。メンバーの大多数は、先生たち。先生たちの朝はかなり早いのです。でも、よいのはやはり休暇が長いところ。あと、1週間もすれば、学校の休暇が始まり、先生たちを中心にした多くのexpatがクリスマス休暇。4週間ぐらいは皆いなくなります。

何とか脱出しないと、静かで寂しいクリスマス、年末年始になりそうです・・・。

Tuesday, November 22

汗を流して

日曜日には久々にダンスの個人レッスンに復活。
月曜日にもダンスエアロビに行き、少しなまった体を動かしています。

日曜日のレッスンでは、前のインストラクターがいきなりフィリピンに帰ってしまったため、新しいインストラクター。さんざん文句をいったせいか、今回は少なくともしばらくはこちらにいるようで、しかも、今までと違い、教え方も丁寧。とにかく、新しいステップを次々教えられて、ついていっていようがいまいがお構いなし、とりあえず形がなんとなくできていればいいというやり方ではなく、きちんと正しい姿勢やポーズから。日本でダンスの勉強もして、教えていたこともあるというだけあり、日本のダンス教室に近い感じです。こちらのフィリピン人インストラクターは、かなりの割合で、鏡に映る自分の姿に酔っている感じ。生徒ができているかどうかは二の次という人が多いのです。説明がないので、正しくはどう動けばいいかもわからないこともあります。その点、日本は細かいところまで注意され、それができなければ次のステップには進ませてくれません。確かに、同じことの繰り返しはつまらないですが、まずはそれをマスターしなければお話にならないのですから、当然です。最近は、単にステップを教えるのではなく、テクニックの部分をきちんと教えるインストラクターが少しずつ増えてきているようです。当地ダンス熱の高まりとともに、教わる側の要求も高まっているということかもしれません。

ダンスのレッスンでも意外に汗をかきます。エアロビはもちろんもっとかきます。思えば、来たばかりの頃に比べると、汗をかく量が増えている気がします。月曜日のエアロビでは、遅刻して飛び込んできていることもありますが、始めてすぐに汗が。英国にいた頃は、涼しさと乾燥した気候、運動不足のせいか、ほとんど汗をかいた記憶がなく、汗腺がつまってしまったかもと心配しました。それが、やはり汗腺開きっぱなしというようなところにいると、汗をかきやすくなるのでしょうか。新陳代謝が盛んということなので、いいことだとは思いますが。考えてみると、普段の生活ではエアコンが効いた(時には効き過ぎた)中なので、実はそんなに汗をかいていません。そう考えると、やはりダンスのおかげかもしれません。

先日の日経新聞に、女性のストレス解消方法はショッピング、とありました。確かにそのとおり!と思ったのですが、何も欲しいものがないこの国にいると、女性ではあまりランクが高くなかった、スポーツで汗を流すというのが上位にならざるを得ません。ちなみに、男性で上位に入っている「飲みに行く」も限られますから、スポーツの順位はぐんと上がることになるでしょう。健康的に汗を流してストレス解消、はいいですが、食べ物に走ってしまう人も多そうな気がします。でも、そもそも、外国人である私たちはともかく、のんびりペースのこの国の人たちはどの程度ストレスを感じているのでしょうか。

Monday, November 21

蘭の花束とGirls Talk

もうじき中東に出発してしまうオーストラリア人の友人。
既に、子どもたちは、オーストラリアに戻り、ご主人はとりあえず子どもとともにオーストラリアへ。子どもたちが落ち着いた時点で彼女に合流する予定とのこと。出発前に会えるのは、もうたぶん最後になりそうということで、うちに来てもらうことに。今まではいつも家族ぐるみだったのが、今回は共通の友人1人も招いて3人で送別を兼ねたGirlie Night。

少し遅れて現れた彼女。手には蘭のお花。色や種類の少し異なるデンファレがバナナの葉に巻かれてブーケ風になっています。遅れた理由でもあるのですが、蘭センターのようなものなどがあるボーダーに近いところまで遠出をしていたそう。離れるとなると、何もないといわれるここでも、最後に一応行っておかなければ、やっておかなければ、ということは山積みのようです。考えてみれば、本来はこちらがお花を用意するべきだったのですが。

家族で会っている時以上に、彼女のよくしゃべること。圧倒されて聞いていました。ダイエット中で、少し痩せた彼女はあまり食べず、とにかくしゃべるほうに徹していました。以前、バースデーパーティーに招かれたときにちらっと聞いた家族のトラブルの話、次の仕事、今の雇用主、大家やその他の人の噂話etc。とうにGirlsという年は過ぎているので、Girls Talkらしいお洋服やショッピング、レストランの話はあったにしても、おばさまパワーを感じざるを得ませんでした。子どもがいない場では母の顔をする必要がないので、話す内容だけでなく、話し方も変わるのでしょう。もちろん、男性がいないところでのGirls Talkで、女の子たちが普段と全然違う顔を見せるのと同じように。たまにキッチンに引っ込みつつ、話題に何とかついていくという状態で、あっという間に深夜になってしまいました。

この2,3ヶ月で、かなり人の入れ替わりがあるようです。
せっかく仲良くなれても、すぐにまたさようなら、となるのは残念ですが、細く長くおつきあいできる友人を増やしていけたらよいと思います。ちょうど、つい先日、直木賞をとった「対岸の彼女」を読み、女の子友達、グループについて考えさせられたところでした。

デンファレは保ちがよいので、しばらく楽しめそうです。ペットボトルで作った即席花瓶に飾られていますが、お部屋を明るくしてくれています。毎朝、見るたびに彼女や彼女の家族を、そしてGirls Nightを思い出すことになりそうです。

Sunday, November 20

St Andrew's Ball

昨夜はSt Andrew's Ballにいってきました。

かなり本格的なボールになるはずが、結局場所の変更でスペースが狭くなり、Dinner&Danceに少し格下げされました。とにかく、行事の多い時期。当初予定していた場所から直前に変更されたため、場所が見つからず、最終的に、リゾートホテルに併設されている1軒家スタイルの中華レストランを貸しきり。赤いランタンが目につく中、スコットランドのイベントというのも、かえっておもしろい雰囲気を醸し出していました。スコットランド人はキルト、他の人たちも皆ドレスアップ。ダンスの練習の時は、ショーツにサンダル履きだったおじさま達も、蝶ネクタイできめています。まずは、到着時に写真撮影。あとで販売されましたが、ほとんどの人が記念に買っていました。その後、ウェルカムドリンク(もちろん、お酒、です)から始まり、ローストビーフなどのディナー、ウィスキーのリキュールらしい食後酒が配られたあと、テーブルをよけてダンスフロアを広げてスコティッシュダンス。夜中過ぎまで続きました。

ドレスアップ、アルコール、軽快な音楽に、ダンス。明るくにぎやかな雰囲気で、時間を忘れて楽しめる数少ない機会でした。

次回は、1月のバーンズ・ナイト。ハギスも出して本格的にやるということで、こちらも楽しみです。

Friday, November 18

お寿司

昨日に続いて和食の話題。
昨夜は、急遽決まって数人が友人宅に集まり夕食。
本来は別の友人宅に集まるはずがいろいろ勘違いがあり、キャンセルになったと思ったら、メンバーを少し変えて、最近お引っ越しをした友人のおうちに集まることに。

準備が大変ということで持ち寄り+当地一番人気和食レストランのお寿司のテイクアウェイ。
ダイニングテーブルの真ん中には、日本でもよくみかけるプラスチック製の丸い寿司桶風の入れ物。
ぱっと見て、お寿司、ではあるのですが、ちょっと違う感じ。
それほどお寿司好きでもないため、気にせず他のものをいただいていたのですが、ふと気がつくと、生魚抜きのお寿司、だったからでした。

もともと生魚がそれほど得意ではなく、お寿司も少しつまむ程度、生ではないものを選ぶことも多いので、違和感が少なかったのかもしれません。それでも、食べ始めると、皆味が濃いというか、味付きのものばかり、なのです。特に、マヨネーズ。あとで、残ることも考えて生ものをいれないように頼んだ、と聞いて納得。それで、これだけの見た目のバリエーションがあるということは、結局、ウナギロール、アボカドロール、エビフライロール、ツナマヨ軍艦、カニカマサラダ軍艦といったものに人気があるからこそ、でしょう。和食はヘルシーだから人気、とよくいいますが、これだけマヨネーズや油などを使っているとどうなのでしょうか・・・。

それにしても、Sushiの知名度は本当にすごいと思います。生魚を食べることへのインパクトは相当大きかったということでしょうか。日本人は毎日お寿司を食べていると思われることも多くて、家では普通あまり作らないというとびっくりされます。カリフォルニアロールに始まる洋風アレンジ寿司は、最近、日本でも、和食ダイニングなどでかなり見かけます。それでも、「お寿司」といったらやはり違うイメージでしょう。こちらでの和食レストランのメニューを見ると、日本では変わり寿司的な扱いのものが主流になりつつあるようです。Sashimiは生だけれど、Sushiは生ではない、というイメージになる日も近いかもしれません。日本のカレーがインドやタイのカレーと違うように、こちらのお寿司も、回転寿司人気とともに、独自の文化を築いていくのでしょうか。

Thursday, November 17

和食?それとも・・・

昨夜は初めての試みで、和食レストランのないリゾートホテルのExecutive用ラウンジで、和食、しかも「会席」を作らせるという夕食会に出席しました。

在留邦人の数は100人足らずなのに、和食レストランが数軒もあり、少なくとも1軒は相当の人気店。
日本人から見れば、これは?という疑問符が飛び交うメニューもあるものの、和食フュージョンと思えば許せる範囲です。店内の回転寿司コーナーも人気ですし、お刺身などお値段も手頃なので、気軽に楽しむ和食風レストランと割り切ればよいのかもしれません。

ただ、昨夜は、一応「会席料理」を出すという趣向。一言でいうと、まだまだ、という感じでした。試食会をしたときよりはだいぶよかったそうですが、今まで作ったことも、おそらく食べたこともないものを作り上げるのですから、難しいのでしょう。最初のカクテル(といっても、フルーツ・ジュース)はテラス部分で。雰囲気は抜群。でも、供されたオードブルは・・・。野菜、お漬け物、サーモンなどをカナッペ風にしたもの。見た目はともかく、味がないのです。これを頂いた時点で、それからのお料理のレベルは想像がついてきました。味をつける必要がないお刺身、和食とはいえない牡蠣グラタンなどはよかったのですが、煮物、焼き物、酢の物となると、材料も組み合わせも???でした。例えば、沢庵を飾り切りした上にカニ肉をほぐしてガーリック風味で焼いたものがぱらっとかかったものがあったり、ほうれん草のゼリー寄せに里芋らしきものが挟まっている不思議なものがあったり、エビの変わり揚げのソースは酢みそだったり。圧巻は、最後のお寿司盛り合わせとお味噌汁でした。顔を覆うのであれば、2人分は余裕でいけそうな、巨大黄金扇風の入れ物。タイのフルーツカービングでゴージャスに飾ってあります。それまでかなり残しつつ食べ進めたものの、既に満腹状態。その状況に、この巨大お寿司盛り合わせ。しかも、塩っぽいお味噌汁。そしてまたしても飾り切り沢庵。ほぼパスして、デザートにしてしまいました。

和食はロンドンやニューヨークなどでもブーム。ロンドンでは、かなり人気の和食フュージョンレストランで、真っ黒なスープに赤いイクラもどき(火がとおっているのに、赤いまま)が浮いている妙にしょっぱいお醤油スープ、衣がたっぷりついて中が見えない巻きずしの天ぷらなど、やはり食べられないものがありましたが、それを思い出してしまいました。

どこから持ってきたのか、樽酒の樽(もちろん、中身はなし)、白い小さな石を石庭風に散らしてみたり、日本風の飾り付けもかなりがんばってやっているのはよくわかるのですが、もう少しシェフの修行が必要です。調味料の限定、材料の入手しにくさなどもあるとは思いますが、辛口批評を受けつつ練習と工夫を重ねてもらわないと。一応、五つ星ホテルですから。

これが日本食、と思われては大変。一生懸命作ってくれたシェフには悪いですが、ついつい日本人以外のお客様に、これはちょっと違う、私も初めて、と言わざるを得ませんでした。

それでも、なかなかおもしろい経験、楽しい夜でした。

Wednesday, November 16

コーヒー文化

ちょっとストレスがたまり気味のこの頃。
ひとりの夕食がイヤで、昨夜は友人を誘って最近オープンしたオーストラリアのチェーンだというカフェ風レストランへ。

基本はスタバをもう少しファミレスっぽくしたような感じ。カプチーノは確かにおいしかったですが、食べ物はまぁまぁという感じでした。いわゆる「Full English Breakfast」(Big Breakfast という名前でした)やホットケーキといった朝食用メニュー、サンドイッチやサラダなどの軽食とケーキは充実していますが、メインとなるメニューは少なめでした。結構広い店内で、食事を始めた時点ではガラガラ。新しもの好きのこの国で、これでは・・・と思っていたら、早めの夕食が終わったぐらいの時間から、かなり混み始めました。食べ物はちょっと割高で、そこまでおいしいというわけではないので、食後にコーヒーを楽しみに来ている人が多かったです。ただし、この国らしく、ミルクがたっぷりはいったもの、生クリームやアイスクリームがはいったものなど、冷たくて甘そうなものを頼んでいる人が目立ちました。そういえば、そもそもメニューに、エスプレッソやストレートのコーヒーがあったかどうか。もちろん、あったとは思いますが、とりあえず写真入りの目立つものは、みなミルクコーヒー色だった気がします。

東南アジアでもコーヒー豆は生産されていますし、コーヒーを飲む習慣そのものは全く新しいものではないでしょうが、最近、「まともなコーヒー」を飲めるところが増えている気がします。地理的な関係で、エスプレッソメーカーなど、たいていはオーストラリアから機械をいれているようです。豆からいれたコーヒーが手軽に楽しめるようになったのは、実は、日本や英国などでもそんな昔ではないので、これだけカフェが増えてきたことには、十分満足すべきかもしれません。英国にいた頃、フランス人の友人が、コーヒーがまずいと文句を言っていたことを思い出します。そもそもが長く英国植民地だった国、コーヒーやおいしいお食事に期待するほうが間違っているともいえます。もちろん、最近の英国のレストラン事情、食事事情は圧倒的によくなっていますが。

私自身、紅茶党で普段は紅茶です。リーフティーはスーパーに行けばきちんと手に入ります。でも、外ではカプチーノなどコーヒーも楽しみたいので、自動的にお砂糖とミルク入りの粉をとかしたネスカフェがでてくることが少なくなるのは、大いに歓迎したいと思います。

Tuesday, November 15

コンサートと音楽教育

Chiorのコンサートが来週末に近づいてきて、昨夜の練習はちょっと気合いが入った感じでした。
指揮者や参加者の一部は音楽関係の先生なので、アットホームな雰囲気ですが、人前で披露するためにはそれなりのレベルまで上げなければ、と真剣になるのでしょう。前回のコンサートは都合が悪くて参加できなかったため、今回は2回公演のうち1回だけ何とかという感じですが、初参加の予定です。

曲目は、フランス語曲、Bachに始まり、Gershwin、Porgy and Bessのメドレーなどを歌います。リハーサルを休みがちだったため、週末にでも自主練習をしないと一部口パクになりそうです。まぁ、ソプラノはいちばん人数が多いので、口パクでも全く目立たず問題はなさそうです。むしろ張り切って、大声で音や歌詞を外してしまわないように気を付けるべきかもしれません。

来週末は珍しく文化行事ラッシュ。
ラマダンとハリラヤを合わせた1ヶ月半あまりは、行事開催時期としては適当ではなく、かといって12月に入れば学校の休暇も始まり、ヨーロッパ系の人たちは皆クリスマス休暇でいなくなってしまうため、結局、11月後半にあらゆるものが集中してしまうようです。

先日は、日本を含めた近隣国のインターナショナル・スクールの生徒たちが集まって音楽祭のようなものをやったようです。花火とオープンハウスで忙しくてこのコンサートにはいかなかったのですが、こういうものをもっと積極的にやって、あるいは刺激を受けて、公立学校でも音楽教育を復活させたらよいと思います。現在、西洋文化はイスラム文化に悪影響ということで、音楽教育も公立学校でははずされています。ただ、コーラン読経大会は頻繁に行われていて、テレビでも延々放映されています。きちんと聞いたことはありませんが、「上手な人は上手」ということで、ある意味歌のようなものかもしれません。それでも、コーラン読経大会ばかりでなく、せめて、伝統音楽だけでも引き継いでいかないと、あまりにも特徴のない薄っぺらな文化になっていくのではないでしょうか。それとも、コーランがすべてなので、それ以外はなくても十分、ということなのでしょうか。

少なくとも、私にとっては、文化のあるところのほうが魅力的で、観光振興にも役立つと思われるのですが。

Monday, November 14

花火

週末はまだハリラヤ・ムードで、オープンハウスがパラパラと続いている中、日本の花火が打ち上げられました。5つ星リゾートホテルのビーチ沖部分で上がるということで、駐車場確保のため早めにホテルに向かいました。

珍しく1日中雨が降ったりやんだり。いつもならば、ざーっと降ってもしばらく経てばあがるのに、この日はいつまでも晴れてきませんでした。開始時間に近づいても、とても花火日和とはいえず、ちょっと気をもみました。日本の花火師が打ち上げるのだから、時間通りに始まるだろうという期待に反して、ローカルルールどおり30分遅れのスタート。雨の中、15分強という短いものでしたが、その迫力、繊細さ、技術は、中国花火とは違うということを十分感じさせました。日本の花火大会も終了時は動けませんが、駐車場は大混雑。イベントが少なく、行くところが限られるこの国。お天気がよかったら、もっと大変だったのではないかと思いました。

当然、今回の花火は日本製花火のプロモーションを兼ねているわけですが、果たして価格的には競争不可能と思われる中国製に打ち勝つことはできるのでしょうか。中国などで日本製の果物が超高値で販売され、売れているご時世、参入の余地がないわけではないでしょうが。1年中夏なので、いつでも「花火シーズン」。その意味で、日本のオフシーズンのビジネスとしてうまく売り込みたいという思惑があるのでしょうが、何事もスローテンポなこの国、新規参入ビジネスはなかなか難しいかもしれません。

せっかくなので、海上スターマイン、ナイアガラなどの仕掛け花火、日本のアニメ人気を考えてどらえもんやニコちゃんマークなどの花火もあれば、もう少し中国花火との差別化が図れて、よかったような気もしました。

ビジネスとは無縁の、単なる花火フリークとしては、日本の花火が観られただけでも満足なのですが。

Friday, November 11

マラソン

日本にいたときの英国人の友人が、マラソンランナーとして活躍中。
先日、11月20日の東京国際女子マラソンに海外招待選手として出場するとの連絡がありました。

彼女は日本で仕事をしている間に日本人と結婚したのですが、彼女が英国に帰る際に旦那様は仕事をやめて彼女に同行、ロンドンで職探しをしたり、ロースクールを修了したりしたものの、今は、彼女のトレーニングのサポートが中心のようです。彼女の方もすごくて、job sharingをしながらトレーニング。つまり、週の半分を仕事、残りの半分強をトレーニングに割り当てています。そんな中で、着々と力をつけて、立派な成績をおさめています。英国人ランナーといえば、ラドクリフ選手ばかりに注目が集まっていますが、彼女の活躍に期待したいと思います。折しも、高橋尚子選手の帰国のニュース。やっぱり、今回の東京国際女子マラソンは、Qちゃん主体の放映になるのでしょう。沿道で声援を送れないのは残念ですが、南の国から応援したいと思っています。

マラソンなんて無縁のところ、と思っていたのが、実はこの国でも12月に初めてマラソン大会が開催されます。今まで、チャリティー・ウォーク的なものはあったのですが、今回はフルマラソンです。こんな暑くて湿度の高いところで、フルマラソンを走るというのは相当つらいと思います。ホノルル・マラソンのように暑いけれどからっとしているのであれば、まだよいのでしょうが。もちろん私は参加しませんが、走るのを眺めにぐらいは行こうかと思っています。ただ、ロンドン・マラソンのように仮装して走る人もいないでしょうから、知り合いの応援以外では退屈しそうです。どれぐらいの人が参加するのかよくわかりませんが、ふたを開けてみれば、参加者は外国人ばかりだったりするのかもしれません。

スポーツはハングリー精神がなければダメだと思います。多少の不便と制約はあっても、満ち足りておだやかで平和なぬるま湯生活。やることがないので、常に食べていて、何かと食べる機会が多く、まさにハングリー精神とは正反対の状況。マラソン選手が育つというレベル以前に、フルマラソンをどれだけの人が完走できるか、が見物かもしれません。

参加もしない私自身、偉そうなことはいえませんが。

Thursday, November 10

Birthday

今日はmy birthday。
年をとるのはとっくにうれしくなくなっていますが、やっぱり自分にとってはとても大切な日。いくつになったかは置いておいても、お祝いしてもらえるのはうれしいものです。

昨日、友人が、プチ・バースデー・パーティーをやろうといってくれていたのですが、いろいろとうまく調整がつかず、断ったつもりでいたのが、実はケーキをオーダーしてくれていました。前日にもお断りメールをいれたつもりが、昨日の夕方、何度もメールが来て、とにかくケーキだけ食べに来て!といわれて、ちょこっとだけおうちにお邪魔しました。

そういえば、チーズケーキは好き?、ブルーベリーはどう?、と聞いてくれていたのですが、ブルーベリー・チーズケーキにきちんと名前入り。1日早いバースデー・ソングを歌ってもらい、ケーキをいただきながら、彼女の気遣い、優しさに感激しました。

ハリラヤとお誕生日で忘れかけていたのですが、ちょうど5日前がこちらに来て1年目の記念日。最初の数ヶ月は長かったですが、最近は月日の経つのが早まってきて、気づいたら1年。それでも、ようやく1年という感じです。去年のお誕生日は、来た直後ということで、一応1日遅れでお祝いはしてもらったものの、ホテル住まい、慣れない生活で、かなり寂しい気分でした。今年は他の友人たちのように、自分でバースデー・パーティーを開こうかと思っていたのですが、これからバタバタと忙しい時期にはいっていくので、プチ・パーティーはともかく、大勢で集まる企画を立てる余裕はなさそうです。

今夜はバースデー・ディナー。
持ってきてもらったシャンパンを開けて乾杯、の予定です。
もちろん、シャンパンはレストランへ持ち込みです。
あのレストラン、ちゃんとシャンパン・グラスがあればよいのですが。

Wednesday, November 9

手と足とマメ

職場のスタッフの中には、意外にも王宮のオープンハウスには一度も並んだことがないという人もいて、どうだった?と感想を聞かれました。

特に、今年は、第二夫人が第一王妃の横にいたことに注目が集まっています。タイトルも与えられていない第二夫人が、王室関係者として謁見室にいたのは驚きだったようです。おもしろかったのは、彼女との握手はどうだった?と聞かれたこと。もともと平民の出だから、手がソフトじゃなかったでしょ、といわれました。そういう発想がなかったので、手の感触を忘れてしまったのですが、よく考えれば皇太子妃も王室関係の血を引くとはいえ、もともと王族ではありません。そういう意味では、王族出身である第一王妃と、第二夫人、皇太子妃との徹底的な違い、というのはなかったような気がします。少なくとも、若い分、手はソフトだったかもしれないので、その辺りも割り引く必要があるかもしれませんが。

それよりも、この国で感じるのは、足の指が長くてきれいな人が多いこと。裾を引きずるような長さの衣装だとわかりにくいですが、基本は素足なので目につきます。特にパンプスを履かない人たちは、常にサンダル、しかも歩く距離もわずか。うちの中では靴を脱ぐ習慣。足への圧迫が少ないので、外反母趾や靴擦れ、タコやマメに悩まされることはないからなのでしょう。いつも靴擦れで足がボロボロの私にはうらやましい限りです。そんな私ですら、こちらで過ごす間は歩かないせいか、日本での夏に比較すると格段にまともな足になりますが。

足から手に戻りますが、王族だと、自らの手を使ってやることはほとんどなくて、「箸(フォークとスプーン?)より重いものは持ったことがない」、手は握手のためにある、だから柔らかいということなのでしょうか。確かにマメができている手、働いている手というのはすぐわかります。

マメといえば、童話で、ふかふかのベッドのマットレスの下に小さな豆をおいて、試すというのがありました。貧しい身なりをした本物のお姫様が、そのベッドで寝た翌朝、昨夜は何か固いものが体にあたって眠れませんでした、といって、本物のプリンセスであることが証明された、というお話だったと思います。

本物の高貴な方たちは、温室育ちの花のようにとてもデリケートにできているということなのでしょう。
プリンセス風になるには、まずはソフトな素敵な手を目指すべし!ということかもしれません。
そういえば、握手できませんでしたが、王様やプリンスたちの手も柔らかかったのでしょうか。

Tuesday, November 8

open house

ハリラヤは4日に始まり、街中がまだまだお祝いムードです。

7日が代休となったため、政府関係などを中心に4連休。
ハリラヤ第1日目から3日間ぐらいがオープンハウスのピークです。
1、2日目は親戚回り、2、3日目に上司、知人、友人宅回りというのが一般的なようです。かたや1日10~15軒回る人たちがいる一方、もう疲れるのでほとんど行かないという人もいるようでした。

王宮は、第1日目は政府高官、各国大使、各界著名人など限られた招待客のみ、その後、例年通り、第2日目から3日間、旅行者でも誰でもOKという一般向けのオープンハウス。新聞報道によれば、3日間で王宮を訪れた人数は95,000人近く! 人口の1割強にあたる人数が1日あたり訪問した、という計算になります。この時期にあわせて旅行に来る人もいるということで、ホテルなどもにぎわっていて、日本人の団体客も結構見かけました。

王宮のオープンハウスは、通常2~3時間並ぶということだったのですが、やはりいろいろルートはあり、待ち時間があまりない形で入ることができました。王室関係者との謁見室の前で男女別れて並んでいる際に、服装チェックが行われます。このとき、ふさわしくない格好だといれてもらえないそうです。服装チェックをパスして進んでいくと、まずは、第一王妃と握手。独特のお化粧で目立つのですぐにわかります。3番目は皇太子妃。ということは、2番目は・・・。いまだにタイトルを与えられていず、「王妃」ではない、第二夫人でした。なかなかきれいな方でした。あとは、その他の王室関係者が3名ほど。男性のほうも、国王、皇太子、国王弟、国王のその他の子どもたちなど、6,7名だったそうです。流れ作業のように握手するので、一瞬で謁見室から外にでてしまいます。このあと、紋章入り黄色(王室の色)のプラスチックボックスに入ったお菓子(キットカットなど、駄菓子的な普通のお菓子でした)と国王の写真入りカードをもらいます。さらに、子どもたちは日本でいうお年玉ももらえます。また、食事も振る舞われます。握手は一瞬ですが、やはり、王宮の中に入るというのはなかなかできない経験でおもしろいものです。

オープンハウスは、招待状がなくても来客は誰でも歓迎。直接招待を受けたのはわずかだったのですが、王宮以外にも「お宅拝見」という感じでいくつかお邪魔してきました。住所を頼りに、使えない地図をにらみつつ探して、結局たどり着けなかった家もありますが。

この日のために新調した伝統的な晴れ着を身につけたホスト・ホステスがお出迎え。
まずは、どこのおうちでも、豆乳、ファンタ、コーラなどの甘い飲み物かお茶が出され、続いてお菓子や食事を勧められます。これに手を付けるのがマナーです。たくさん回ると最後には気持ちが悪くなってくるので、それぞれ少しだけいただくというのが基本です。何軒か回ると、典型的なマレーのお祝い料理・お菓子を一通り経験できます。ホームメードのところも多いのですが、大臣クラスなど1日に100人単位の訪問客を受けるところでは、ケータリングが中心となります。あまり1日に回りすぎると、ホームメードだと勧められると断りにくく、ケータリングが続くと同じ味に閉口するということになります。大きなところでは、飲み物をサーブする人も雇っていますが、その家の大きい子どもたちがホストのサポート役をしっかりと勤めていることも多いです。また、どこのおうちも、家族写真、ガラス製品などのコレクションが並べられていて、最初のうちはシャンデリアや金の縁取り家具、華やかすぎるソファなどに目がちかちかします。それでも、いくつか回っているうちに、この派手さ加減にも次第に慣れてきます。実際、素敵、と思うものはほとんどありませんが・・・。

オープンハウス、なかなかおもしろい経験です。
物騒な昨今、平和なこの国、人のよい国民性だからこそ、のんびりと続けられるのかもしれません。

Thursday, November 3

月が見えず・・・

昨夜は結局月が見えなかったため、ラマダンは終わりませんでした。
そのため、今日はハリラヤ初日の休日とならず、平常どおり仕事です。

周辺国は、皆、ラマダン終了日を暦上計算して確定しているのに、実際に月が見えるかどうかで決める、というこの昔ながらのやり方は、いつが休日になるのかが前日までわからない、という不便極まりないシステムです。普段から大して仕事もしていないし(特にラマダン期間中は)、公共交通機関は皆無に近く、人口も経済規模も小さなこの国にとっては、休日が1日ずれることぐらい、さほど支障にならないからよいのでしょうが。

今夜は月が見えても見えなくても、明日からハリラヤ。

ここ数日間、夜になると爆竹や花火の音が響きますが、今夜はおそらくその最高潮になるはず。
新聞によれば、祝砲12発が打ち上げられるそうです。それにあわせて、あちこちで爆竹や花火が鳴るのでしょう。コーランの響きとともに、今夜はさらに騒がしくなりそうです。

明日からのハリラヤでは、オープンハウスが始まります。欧米と違って、普段にホームパーティーをするなど人を招く習慣はなく、年1回、このハリラヤの期間、ほとんど誰でもwelcomeという感じにうちをオープンします。招待状を出す人もいるのですが、直接招待されていなくても、この時期のオープンハウスは訪ねてよいそうです。オープンハウスのため、皆、晴れ着を新調し、ソファなどの家具も買い換え、造花や飾り物で家を飾り立てるそうです。つまり、この準備期間が1年で最も消費活動が活発な時期、ということになります。

王宮も、ハリラヤ第2日目から3日間、オープンハウスをします。これは、一般人が唯一王宮に足を踏み入れることができるチャンス。食事ができて、男女別ですが王族と握手をして、お土産をもらえる、子どもにはお年玉、ということで、マレー式お正月を迎える年中行事的に喜んでいく国民も多いようです。国民よりも、タダ飯、お土産ということで、外国人労働者が多いという話しもありますが。

昨年は仕事で並ぶことができなかったので、今年は、王宮にも行ってみようと思います。
ただ、ディズニーランド状態の長蛇の列、というのは避けたいものです。

Wednesday, November 2

にごり水

先日からの大雨で、ここ数日、どうも水が茶色い感じです。

アパートには、タンクの掃除をしたので水は安全です、と張り紙がありましたが、やはり何となく普段以上に色とにおいが気になります。地域によっては、白物のお洗濯はしたくないと思うほどだったそうです。

水道水は一応衛生上問題なし、ということにはなっています。
さすがにそのまま飲むことはないですが、普段は沸かしてしまえば良いかと思い、お茶やお料理には使っていました。それでも、ここ数日はひたすらミネラルウォーターです。

日本ではおいしいお水への関心が高く、何種類ものミネラルウォーターを置いているカフェやバーもあるぐらいですが、アジアのミネラルウォーターは、あまりおいしくなく、本当に「ミネラル」が含まれているのかすら疑問です。単なる水を飲める状態にしてつめただけでは、という人もいます。かといって、ヨーロッパ産のミネラルウォーターのお値段は相当高く、倍以上です。しかも、どこでも売っているわけではないので、やはりアジア産のものに手が伸びてしまいます。

日本の水道水が、実は結構おいしいという記事を前に目にしたことがあります。海外に出ると、日本がいかに「水」に恵まれているかを感じます。ヨーロッパでも、ミネラルウォーターの水源があるようなところはともかく、水道水の質はとてもいいとはいえません。英国では、Brita(浄水器)を愛用していました。アフリカに行ったときに至っては、心配のあまり、歯磨きまでミネラルウォーターを使ってしまっていました。さすがに、シャワーはあきらめて普通に浴びましたが。

神経質になりすぎるとそれだけで具合が悪くなりそうですが、水道水のにごり問題を除けば、この国の衛生状況はかなりいいです。アジアの中でも飛び抜けているといえます。いわゆる「アジア的」雰囲気がないのは、あちこちに屋台がでて、人が大勢いて、熱気があって、というのがないからなのでしょう。屋台にはかなり厳しい制限があり、屋台を出す場所は限定され、しかも買って持ち帰るというのが一般的です。レストランの衛生面での規則も厳しいようです。まだ、あまり食べ物にあたったという人を聞きません。それを考えれば、多少のにごり水ぐらい・・・とは、やはり考えられませんが。

Tuesday, November 1

Food tasting

新しくオープンしたホテルのプロモーションを兼ねたfood tastingにいきなり声がかかり、行ってきました。このホテル、オープンするという話から、延々1年以上経っても、まだgrand openingの前の「soft opening」状態です。今回のfood tastingは、ようやく、コーヒーショップになる部分ができあがったから、ということのようでした。

1日の断食明けのBuffetと聞いて、ごく簡単な食べ物があるレセプションのようなものかと思ったら、フリー・シーティングのテーブルもセットされ、結構本格的なお料理が並んでいました。

もちろん、アルコールはないので、まず最初に渡されたドリンクはジュース。本当に、言葉どおりの色とりどり、でした。定番のピンク色ジュース、甘い豆乳、スプライトなどに加えて、さすがホテル、フルーツカクテル風のジュース、茶色のロンガン・ジュース、何が入っているのか結局よくわからなかった不思議なつぶつぶ入りの白いジュース(ドラゴンフルーツにココナツ、かもしれません)など。6時過ぎのお祈りを合図に、お料理をどうぞといわれて早速ひとまわり。まずは、テーブルにあったデーツを食べてからお料理をとるのが順序のようでしたが、とりあえず空いているうちにさっさとお料理をいただいてしまいました。お料理は、立食のビュッフェで使えそうな一口サイズのアミューズ的なものから、サラダなどの前菜、カレーなどのメイン、ケーキやマレー菓子のデザートまで一通り揃っていました。アルコールもないし、ムスリムの人たちは当然ひどく空腹な状態からさっさと食べるせいか、食べ始めて30分も経つと食べ終わって帰っていく人たちもパラパラ。

実は、このあとにScottish Danceの練習があったのですが、デザートまでしっかりいただいてから、満腹なお腹のまま練習に向かいました。食べてすぐには・・・とも思いましたが、まずは、練習会場にたどり着けるかどうかという問題もありました。

一度間違って曲がりそうになったことをのぞけば、奇跡的にスムーズに会場に到着。すでに練習は始まっていました。最初のダンスは円になって踊るもの。体格のいいおじさまたちのほとんどは、いかにもトロピカルな国にいる欧米人らしく、ショーツにスポーツサンダル。キルトか、せめてもう少しドレスアップして踊れば様になるのでしょうが、今の状況はどうみても幼稚園児のお遊戯。なんだかかわいらしくて、おかしくなってしまいます。

5種類ほどのダンスの練習を終えると、多少は運動した気分。food tastingで取り過ぎたカロリーも少しは消費できた、という感じでしょうか。