昨夜は初めての試みで、和食レストランのないリゾートホテルのExecutive用ラウンジで、和食、しかも「会席」を作らせるという夕食会に出席しました。
在留邦人の数は100人足らずなのに、和食レストランが数軒もあり、少なくとも1軒は相当の人気店。
日本人から見れば、これは?という疑問符が飛び交うメニューもあるものの、和食フュージョンと思えば許せる範囲です。店内の回転寿司コーナーも人気ですし、お刺身などお値段も手頃なので、気軽に楽しむ和食風レストランと割り切ればよいのかもしれません。
ただ、昨夜は、一応「会席料理」を出すという趣向。一言でいうと、まだまだ、という感じでした。試食会をしたときよりはだいぶよかったそうですが、今まで作ったことも、おそらく食べたこともないものを作り上げるのですから、難しいのでしょう。最初のカクテル(といっても、フルーツ・ジュース)はテラス部分で。雰囲気は抜群。でも、供されたオードブルは・・・。野菜、お漬け物、サーモンなどをカナッペ風にしたもの。見た目はともかく、味がないのです。これを頂いた時点で、それからのお料理のレベルは想像がついてきました。味をつける必要がないお刺身、和食とはいえない牡蠣グラタンなどはよかったのですが、煮物、焼き物、酢の物となると、材料も組み合わせも???でした。例えば、沢庵を飾り切りした上にカニ肉をほぐしてガーリック風味で焼いたものがぱらっとかかったものがあったり、ほうれん草のゼリー寄せに里芋らしきものが挟まっている不思議なものがあったり、エビの変わり揚げのソースは酢みそだったり。圧巻は、最後のお寿司盛り合わせとお味噌汁でした。顔を覆うのであれば、2人分は余裕でいけそうな、巨大黄金扇風の入れ物。タイのフルーツカービングでゴージャスに飾ってあります。それまでかなり残しつつ食べ進めたものの、既に満腹状態。その状況に、この巨大お寿司盛り合わせ。しかも、塩っぽいお味噌汁。そしてまたしても飾り切り沢庵。ほぼパスして、デザートにしてしまいました。
和食はロンドンやニューヨークなどでもブーム。ロンドンでは、かなり人気の和食フュージョンレストランで、真っ黒なスープに赤いイクラもどき(火がとおっているのに、赤いまま)が浮いている妙にしょっぱいお醤油スープ、衣がたっぷりついて中が見えない巻きずしの天ぷらなど、やはり食べられないものがありましたが、それを思い出してしまいました。
どこから持ってきたのか、樽酒の樽(もちろん、中身はなし)、白い小さな石を石庭風に散らしてみたり、日本風の飾り付けもかなりがんばってやっているのはよくわかるのですが、もう少しシェフの修行が必要です。調味料の限定、材料の入手しにくさなどもあるとは思いますが、辛口批評を受けつつ練習と工夫を重ねてもらわないと。一応、五つ星ホテルですから。
これが日本食、と思われては大変。一生懸命作ってくれたシェフには悪いですが、ついつい日本人以外のお客様に、これはちょっと違う、私も初めて、と言わざるを得ませんでした。
それでも、なかなかおもしろい経験、楽しい夜でした。
1 comment:
thonちゃん
少なくとも、これはおいしい!という雰囲気ではなかった気が。量が多かったので、残してしまうのはいずれにせよ仕方がないのですが、味覚の差は結構あるので、日本人が「う~ん」とうなるものでも、平気だったりすることもありました。
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