Monday, November 28

Jewellery & Classics

イベント続きの週末。

日曜日は、ローカル・アーティストの作品を展示販売する会を開いているおうちがあると聞いて、行ってみました。教えられたあたりまでたどり着いたものの、どのうちかわからず。そもそも、住所だけで、誰のおうちなのかすら忘れていました。どうしようかと一思案。あきらめて帰ろうかと思ったら、ちょうど、いかにもそのおうちから帰るという感じの白人のおばさま二人が車に乗り込んだのが見えました。とりあえず、聞いてみようと、慌てて車の窓を開けると、顔見知りではないと思ったのですが、向こうは知り合いに答えるように、あのうちよ、とほとんど何も聞かないうちに教えてくれました。土曜日のコンサートに来ていたのか、どこかで会っていたのか、向こうはこちらの顔を知っていたようで、当然目的地は一緒とわかってくれたようです。

チャイムを鳴らすとすぐに満面の笑みを浮かべて出迎えてくださったご夫婦。よく来られたわね、来られてよかったわ、と大歓迎。やはりコンサートに来ていたらしく、こちらは全然相手の顔もわかっていないのに、なぜか名前まで覚えていてくれました。コンサートに出演していた日本人はひとり。いちばん人数の多いソプラノのひとりとはいえ、プログラムの名前はアルファベット順で筆頭だったのと、目立つ名前だったので覚えていたのでしょう。

眺めのよい高台にあるおうちのリビングには、シルバー・ジュエリーやペーパー・クラフト、クリスマス・オーナメントを中心とした作品がディスプレイされ、飲み物やチーズ、ミンスパイ、チョコレートケーキなどのリフレッシュメントも用意されていました。作品はなかなかセンスがよく素敵。ただ、普段シルバーは身につけないので、デザインは気に入ったのですが、結局ハンドメイドの紙で作ったカードのセットだけ購入しました。中国系のアーティストの彼は、ボーダーを超えたお隣のマレーシアがベース。自宅を工房にして、ショップも持たず、自宅や友人宅等のみで販売をしているとのことでした。その後、友人もやってきて、結構皆クリスマス・ギフト用に買っていました。コーヒーやケーキをいただきおしゃべりしたあと失礼しました。とりあえず雰囲気を見に行ったという感じでしたが、日本でも十分通用するデザイン。シルバー・ジュエリー好きがいれば次回はプレゼント用に購入したいと思います。

そして、夜は、トヨタが東南アジア地域で隔年開催しているクラシック・コンサート。ハンガリーのオペレッタ・オーケストラ。まずは、リフレッシュメントから始まり、席に着くようにいわれてから30分後、ようやく、Guest of Honour到着、その後、スピーチが続き、チャリティーのセレモニーがあり、ようやくコンサート開始。おかしかったのは、オーケストラはステージ上にスタンバイしているのですが、その目の前、観客向きにセットされたイス。そこに、スピーチをする主賓やトヨタの関係者などが座ったのです。さすがにそのままコンサートが始まることはなく、もちろん、スピーチなど終了後、イスとその下の赤絨毯は撤去されましたが。

クラシック・コンサートのイメージを若干裏切る内容でしたが、楽しめました。こちら向けにアレンジされていたのでしょう。ソプラノとテナーの歌手が2人ずつ、さらに、ダンサーが4名。踊りあり、パフォーマンスあり、曲目も、クラシック以外にもミュージカル・ナンバーや地元の曲のアレンジも。というより、むしろ、そちらの方が多かったかもしれません。ハンガリーらしい曲には、民族衣装を身につけたダンサーたちのダンス。テンポのよい曲が多く、エンターテイメント性の高いコンサートでした。このコンサートはもちろん、検閲を受けています。明らかに、普通は身につけない長袖のレオタードをドレスの下に着ていたり、ロング・グローブをしていたり、ドレスの裾があまり上がらないように2重にされていたり、といった「工夫」が見られました。いろいろといっても、とにかく、久しぶりにオーケストラの音色を楽しめたことだけでも十分でした。

普段はなかなか楽しめないショッピングとオーケストラの両方を楽しめた貴重な日曜日でした。

4 comments:

Anonymous said...

「検閲」とは、宗教上の理由でしょうか?それともこの国のプロトコルが特別なんでしょうか?

chestnuts said...

牧歌さん

基本は、宗教上の理由です。回教国の中でもかなり戒律は厳しく、イスラムの教えに反するようなもの、イスラムの公序良俗にあわないものは受け入れられません。最近では、キアヌ・リーブス主演の映画ConstantineはCensorship Boardの決定により上映禁止となりました。その昔は、New Cinema Paradiseの世界だったそうですが、今は、少なくともキスシーン程度はOKなようです。舞台ものだと、女性の肌があらわになるような衣装は当然認められません。

プロトコル上もうるさく、国歌の演奏についても部分演奏はダメだとか、いろいろと制約があります。

最初にこの「検閲」というものを知ったときはびっくりしましたが、まだまだ表現の自由はどこでも当然の権利、ではないのですよね。

Anonymous said...

有り難うございます。立場的には他人事ではないもので。儀典の大変さと滑稽さが知れますね。やってる本人たちは大真面目だけど。

chestnuts said...

牧歌さん
そうなんです。何かと心配で最近はつまらないことでも念のため確認するクセがつきました。常識が相当異なりますから・・・。