最近話題の裁判員制度について、著名な弁護士の先生から推進派としてのお話を伺う機会に恵まれました。
話題になっている割には、ちゃんと制度がわかっていなかったので、制度の概要から議論のポイントまでご説明いただき、その後いろいろな質問に答えていただく形の会は大変勉強になりました。
基本的には、日本人はメディアに流されやすく、職業裁判官でない素人が入ることによって公正さがより高まることがあるのだろうか、一般国民への負担が大きいのでは、と思い、裁判員制度導入に疑問をいだいていたのですが、賛成派の先生からのお話で、疑問点もかなりクリアになりました。多くの国が導入しているので日本も、という理論は必ずしも正しくないのでは、と思いましたが、現状の裁判制度が素晴らしいといはいえない中で、新たな試みは必要であり、その時期が熟してきたのかもしれません。今回導入される制度そのものは、陪審制ではなく、推進派の方たちが期待していたものではない折衷的な制度であること、また、今回導入されてどの程度現在の司法が抱える問題が改善されるかはわからないものの、少なくとも現行制度のままでは問題であるとの認識があること、など、数々の有名な訴訟への実際のご経験から積み上げられたお話は貴重なものでした。ただ、やはり、一般国民である裁判員に理解しやすいような形で、感情に訴えるような演技派が活躍し、劇場化するのでは、という疑問は残りました。もちろん、そもそも中身がないのに「演技」だけ、というのに踊らされるほど日本人のレベルが低い、とも思いませんが。いいほうにとらえれば、裁判はよりわかりやすく、難しい法律用語や専門用語を振り回さず、関与する弁護士も検察側も、より高い表現力がコミュニケーション能力が必要とされ、裁判の質が高まっていくということになるのだとは思います。
一応、法律を学んだもののくせに、自分自身の不勉強を反省しました。裁判員に選ばれたら、やっぱりあまりやりたくないな・・・とは思ってしまいますが、ちゃんと勉強して、世の中についていかねば、と思いました。
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