Sunday, March 5

毛利宇宙飛行士

 ちょうど毛利宇宙飛行士が当地を訪問中。こちらの民間企業の招待で、各地の学校などで講演会をされています。せっかくの機会ということで、昨日、在留邦人向けにも講演をしてくださることになり、行ってきました。

 1992年。日本の国を代表して宇宙空間で活躍された宇宙飛行士第一号。以前、館長をされている日本未来科学館で行われた行事でお顔は拝見していて、にこやかにゆったりスピーチをされていたせいか、物腰の柔らかな方という印象がありました。今回は、子どもたちが多かったこともあり、1時間ほどのお話の中心は、宇宙での食事とトイレ、そしてあとは日本未来科学館の広報。やはり皆が身を乗り出して聞いていたのは、食事。宇宙に行くと「意地汚く」なるそうです。山登りなどと同じで、食に対する意識が強くなるようです。宇宙に行くと味覚が変わるため、日本のレトルト・カレーが大変おいしくて、アメリカ人などにも大好評で、NASAでもカレーのレトルト研究が始まったけれどなかなかおいしいものができず、結局日本のスーパーで購入したものを持ち込んでいる、今では「日本のカレー」がNASAの通常ミール・プランに組み込まれているとか、ラーメンが食べたかったけれどダメだった、野口宇宙飛行士は、ビストロ・スマップでキムタクが作ったカレーと一緒に特別に開発してもらったラーメンを持っていった、といった庶民レベルのお話はなかなかおもしろかったです。それにしても、スペースシャトルは、発射後、たったの8分ちょっと宇宙に到達してしまうそうです。そんなに近いところだったと思うと(それより、そんなすごいスピードで進むのか、とびっくりすべきですが)不思議な感じがしました。技術はどんどん進歩していて、それでも、ああいった悲惨な失敗もあり、危険は当然あるのに、夢を追い実現していこうとする人たちがいること、月並みですが、地球や、なんと毛利さんがご自分で撮影された富士山の画像などに感動しました。

 宇宙旅行は、今は25億円(日本人の方がひとり申し込み済み)とか、安くても(!)JTBが売り出したパックツアーは1100万円(しかも、完売)だそうです。20年もすれば、200万円ぐらいで地球を何周かするぐらいはできるでしょう、といわれましたが、どうなんでしょうか・・・。現時点で、月までいくのは100億とかそういうレベルのようで、しかも、命の保障はないそうです。

 宇宙で、地球ほど美しい星はなく、地球以外に生命が住めるところはない、とおっしゃっていました。もちろん、宇宙は広いので、どこかを探せば地球のような星もあるのかもしれません。でも、やはり、地球がいかに素晴らしいところか、それを守っていく責任が私たちにはあるのだということを、改めて認識させられました。小さい子どもたちが多かったので、どこまでお話がわかったのかな、という気はしましたが、彼らにとっても本当に貴重な体験だったと思います。

 怖さのほうが先に立って、宇宙に行きたいとは思えないのですが、ほんの少しだけ、宇宙が身近になったような気がします。

2 comments:

Anonymous said...

いつも気になるのは宇宙に行くためのコストよりもエネルギー量です。一体どれくらいのエネルギー量を使って、地球内をどれだけ汚染していて宇宙との行き来をするのでしょうか。この辺を質問すると「調べておきます」と宇宙開発の方に応えて頂いたことはありますが、とうとう回答を貰う機会を失いました。

chestnuts said...

牧歌さん
事前に伺っておいて、毛利さんに質問できればよかったですね、といっても、もしかしたら、やはり「調べておきます」と言われてしまったかもしれませんが。