Tuesday, March 28

ケーキと隠れキリシタン

 週末の続き。

 土曜日の夜、持ち帰ったwedding cakeは、翌日の日曜日の遅い朝食に。その後、日曜日なので教会へということで、結婚式があった小さな教会の英語のserviceに出席。クリスチャンではないですが、ミッションスクールだった中・高時代にはカトリックのごミサに、そして、その後も英国でたまにアングリカン・チャーチのserviceに行くことはあったので、出席することそのものに違和感はないですし、宗派は違ってもどこでも暖かく迎えてくれるのがキリスト教のよいところだと思っています。ただ、勧誘を受けたり、聖書をプレゼントされてしまったり、信仰に関する議論を持ちかけられたりすると、正直なところ、ちょっと居心地の悪い気分です。キリスト教の精神は素晴らしいと思うのですが、お寺でも神社でもお祈りするのはごく自然、「神頼み」となれば、あらゆる神様にお祈りしてしまいます。一神教よりも、日本古来のヤオロズの神様仏様。ある意味、典型的な、宗教心の薄い冠婚葬祭仏教徒。教会に行くことにも慣れ親しんでためらいもなく、教会のほうが神社仏閣よりも親しみすら感じるときもあるのですが、これでは、どちらのグループにも入ろうとして入れない「コウモリ」なのかな、とも思います。

 小さな街なのに、Shellのexpatと中国系が比較的多いところのせいか、モスクより、各宗派の教会が目立つ気がしました。この国での国教はもちろんイスラム。一応は、信教の自由を謳っていても、形式的。実際には、かなり大変なようです。登録されている数少ない教会以外の場所でのmasやservice等宗教的な集まりを行うことは禁じられています。それでも、「教会」として認められている建物はわずか。認められていても、首都のほうでは、普通の家のような感じで目立たない建物であることも多いそうです。以前聞いた話で、bible readingのような集まりの時には、必ずケーキを用意するといっていました。もちろん、wedding cakeではありません。「birthday cake」です。もし、当局への通報があって踏み込まれたとしても、ケーキがあれば、今日は○○さんのお誕生日なのでみんなで集まってお祝いしていました、という言い訳をするためだそうです。冗談かと思いましたが、本当だと言っていました。それぐらい、慎重にする必要があり、そして危険である、ということです。

 まるで、隠れキリシタン、のようです。もちろん、踏み絵はありませんが。それに、christianだけではなく、同じことは他の宗教にもいえます。中国寺なども、真っ赤な色で目立ち明らかにわかるものは国中でもひとつだけ。あとは、普通の家のような形だそうです。

 wedding cakeの朝食で始まった日曜日の締めくくりは、有名なkolomee。スープなしの細いちょっと縮れた麺にチャーシューなどを載せたもの。この国では珍しい、屋台の集まった場所(ホーカー・センター)に連れて行ってもらいました。友人(インド系)の友人(中国系)のお勧めでした。ちなみに、友人の中国系の友人たちはすべて教会つながりです。kolomeeは何度か食べたことはあるのですが、確かにここのものは今までで一番おいしかったです。麺もチャーシューも手作りで、普通よりも脂っこくなく、お持ち帰りする人が多いというのも納得です。夕方にこれを頂いて、月曜日からの仕事のために戻るという友人の友人(原住マレー人であるイバン族)の車に乗せてもらい帰宅。 彼女の一家もキリスト教に改宗済み。

 1日半ほどでしたが、いろいろな体験をし、たくさんの人に会い、そして少し複雑な思いも感じた週末でした。

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