やっぱりこの話題です。
個人的には、自らの政治信条を通すというのは当然とはいえ、なぜここまでこだわるのだろう、いろいろと他にも問題は山積みなのに・・・と思ったりするわけですが、この国では、まさになかなか理解されない、「議会解散」「総選挙」。
というのも、そもそも議会が存在していないからです。約20年前の独立直後から、立法評議会が停止されていました。昨年ようやく再開されたものの、再開とは名ばかりで、まだ実質的な審議などは行われていません。建物だけは新たにすごいのを建築するようですが、それもいつになったらできあがることやら。こんな状況なので、村長選出のようなレベルをのぞけば、「選挙」というものを体験したことがない人ばかりなわけです。もちろん、海外に留学してきた人たちは民主主義とはどういうものかはわかっているはずなのですが、結局のところ、今の生活に不満がない人たちからは制度や体制を変革する大きな力が生まれてくることはありません。海外生活も長く、政治への関心も高く、最近の日本の内政はおもしろい、日中関係は特に興味がある、というような人から、治安がよくて生活レベルも高い、安定した今の生活を維持することこそが家族のためにも重要である、あえてそれを選んでこの国に戻ってきている、民主主義がそんなにいいとは思えない、といわれてしまうと、自分自身強い信条があるわけでもないので、つい黙ってしまいます。むしろ、この程度の意見でも、それを言う人が少ないので、感心してしまうという面すらあります。
唯一の英字新聞には社説も論説記事もなく、政府寄りの記事ばかり。コンサートなどの文化行事一つ開催するにも「検閲」が行われます。言論の自由も表現の自由も制約を受けているこの国に、本当に明るい未来はあるのでしょうか。安定とは魅力的な言葉です。でも、その安定は永遠には続かず、安定はそのうち停滞につながることもあります。特に、この国の安定を支えているものは脆弱すぎるのです。おそらく、そういう危機感はトップにはあるはずです。だからこそ、形式的にでも立法評議会が再開され、憲法改正が行われたのだと思います。それでも、小さな国なので、微妙なバランスを保って、しばらくの間はこのままの状況を、多少の軌道修正をしながらでも維持していけるのかもしれません。
1 comment:
me-chanさん、コメントありがとうございます。確かにここまで自分を主張してこそ政治家であり、そうでなければ改革なんてできない、といわれればそうなのでしょうけれど、自分は「フツー」であると信じている私にとっては、あの頑固さはやっぱり「変人」といわれるだけあるなーと思ってしまいます。
thonちゃん、やっぱり、居心地のよさには甘えちゃうんでしょうね。他人のことはいえませんが・・・。「ま、いっか」とついつい流されちゃってるので。そういう意味では、ヘンジンを貫けるというのはすごいことです。
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