昨夜は中国雑伎団を見に行きました。
文化行事がものすごく限られているこの国、昨日の公演は1日のみということもあって、結構な入りでした。
あの体の柔らかさ、筋肉には本当に恐れ入ります。バスケの試合と同じスタジアムを使うので、ちょっと会場が広すぎたり、音楽が途中で切れたり、ショーの構成がこなれていなかったりはしましたが、年に数えるほどしかない公演ものなので、文句はいえません。とにかく、あるもので楽しまなければ、です。
この国独特なのは、どんなものにも必ず「主賓(Guest of Honour)」がいること。文化行事、セミナー、レセプション、国際会議、要は何でもです。ヨーロッパでオペラやコンサートが「Royal Gala」などとなっていると王室の出席があったりしますし、日本でも大きな行事の開会式に皇室の出席があったりはもちろんします。ここでは、すべての行事に主賓がいるので、内容によってレベルが決まってきます。たいていが王室関係者か大臣。そしておもしろいのが、イス。席はものすごく重要なのです。VIP席というのは必ずあって、それは場所が区切られていたり、特別だったりするだけではなく、イスの種類が違うのです。テーブルがある場合には、VIP用だけテーブルクロスが違ったり、花が飾られたり。イスも王室のときは、金ぴかの豪華なもの、大臣ぐらいだと、普通とは違う立派なもの、それ以下だと、ちょっと他のイスよりもよいもの。下々のものとは区別する、という意識がものすごい強いようです。今でも貴族がいて、階級社会が根付いている英国人の友人ですら、この主賓制度にはびっくりのようでした。
また、主賓は必ず15分から30分遅れた時間に到着するように設定されています。開始時間が19:30とあったら、主賓到着は20:00。時には、レベルにあわせて、異なる開始時間が記載された複数の招待状が用意されます。
昨夜は、大臣が主賓でしたが、15分遅れぐらいで始まったのでよいほうでした。VIP席は、派手な黄色い布で飾られて、イスももちろん、スタジアムの作りつけプラスチックイスよりも柔らかくてきちんとしたものが並べられていました。大臣を撮るために集まった(もちろん、中国雑伎団のショーそのものも撮影はしていましたが)プレスの数の多さもいつもどおりです。
日本のアミノ酸ドリンクのCMを思い起こさせる、人間業とは思えない中国雑伎団の演技を見ながら、だんだんなじんできた、この国の独特な習慣のひとつについて考えてしまいました。
3 comments:
Chestnutsさん
こんばんわ。
実はこの文を拝見するまで、「雑技」だとばかり思いこんでいたのですが違っていたのですね。
にんべんですと意味が違いますね。
ここにコンピュータで書き込めないようになさったのですね、すごい。
脳天気さん
実は、文字変換の際に気にしていなかったのですが、「雑伎」で正しかったのでしょうか・・・。
コメントは気軽にしていただきたいので、登録しなくてもコメント可能設定にしたのですが、変な広告コメントがはいるため、設定を変更しました。特に難しいことはなく、よくできていて、関心しました。
Chestnutsさん
伎は、歌舞伎にも使われるのですから手元に漢和辞典はないのですがきっと正しい選択と思いますよ。
変な書き込みはあるようですし、メールアドレスを公開するとスパムメールが来て困りますね。
人間の目では読み取れて、機械は識別できない文字って言うのはまだちゃんとあるんですね。
そろそろ、機械も進歩してきているのかと思っておりました。
Post a Comment