Friday, August 19

ハラル

昨日は新しい同僚を迎えての歓迎会がありました。
いつも使うお店はお酒の持ち込みができるノンハラル中華料理店の個室。
冬瓜ととろとろ角煮のスープ、厚揚げ風お豆腐のあんかけ、エビすり身のチキンぱりぱり皮ばさみ、フレークとスパイスの山に埋もれたエビの揚げ物など、勝手に命名していますが、かなり独創的な珍しいお料理が多く、どれもお味は結構よいです。ノンハラルですから、豚肉もあり、調味料も自由に使われているのでしっかりとした味付けです。

ハラルのレストランとノンハラルのレストラン、どちらに軍配があがるかといえば、圧倒的にノンハラルです。

ハラルとはイスラムの教えに則った食べ物のことですが、一般的に知られているように、イスラムの禁忌である豚肉を避けるだけではありません。豚以外のお肉であれば、鶏、牛、鹿、鴨、山羊、羊などは基本的によいのですが、イスラムの作法に従って屠殺していなければなりません。動物を横たえ、あるいは手に持って、鋭いナイフで血管等を切り、頭を切り離さないで、お祈りを唱えてお肉にしなければならないのです。この作法で屠殺していなければ、ノンハラル・ミートになってしまいます。また、前に触れたとおり、アルコールが含まれる調味料やラードなどの獣脂を使った食品もダメです。洋酒を使っているクッキーやチョコレートはもちろん、日本製のカレーのルーなども禁忌にあたります。以前、味の素がハラルかどうかでインドネシアで騒ぎになったこともありました。どこまで厳格に判断するかは、かなり個人差があるようですが、この国では比較的厳格な人が多いようです。制約の多い中で作るお料理にはやっぱり限界があります。中華やフレンチが発達したのも、中国人やフランス人にはおいしいものへの追求心が高く、その食への貪欲さからあらゆるものを口にしたからです。あらゆる可能性を探求したお料理なので、世界の三大食文化(三つ目についてはトルコ料理という説が一般的かもしれませんが、若干議論もありますので)といわれるほどになったのではないでしょうか。

この国のハラルのレストランは、どこもそれなりの水準は維持しています。他に楽しみも少なく、食べることは大好きな人たちですので、食に無関心ではないのです。お魚はハラルなので、お魚を多く使った日本食はかなり受け入れられています。でも、やはり、何にでも油たっぷり、チリどっさりでは、繊細な舌は養われないと思います。中華料理が多いせいか、一般的に日本人の嗜好にあうといわれるこの国ですが、洋食好きの私としては、ときどき、この国には一軒も存在しないフレンチやまともなイタリアンで、ワインを飲みながらおいしいものを食べたい、と思ってしまいます。

2 comments:

Anonymous said...

chestnutsさん こんばんわ
 日本人はほとんど宗教上の戒律を受ける食生活になじんでいませんが、というか実質的に無宗教に近いわけですが、世界中を見渡してみると、宗教による規制のある方々の方が多いのではないでしょうか。
 クリスチャンも、鱗のない魚はだめ、といいつつ結構カラマリのフライ(小型のイカフライ)はアメリカの前菜としてごく一般的。インドも牛がだめ。あまりうるさく言われないのは、モスレムを除くモンゴリアン、ロシア、ラテン系、南米くらいではないですか?
 ユダヤ教はお食事にお祈りを捧げるのでしたよね。(コーシャ)
 トマトと唐辛子、バジルなどが手にはいるようでしたら、簡単なパスタは手作りしてしまう方が早くないですか?

chestnuts said...

脳天気さん
確かに、宗教上の制約はいろいろありますが、やはり、それをどこまで厳しくとらえるかでだいぶ異なるのだと思います。食べ物は好みや習慣もありますし、私としては、選択肢が多くあれば別にかまわないのですが。英国では、主義としてベジタリアンという人も少なくなかったですが、これは、たいていのレストランにベジタリアン向けのメニューがあるということで解決していました。

thonちゃんも書いているとおり、お肉になってしまえばわからない、というのも実際のところです。この国の人たちも、この国にいる間はかなり厳格でも、留学中や海外旅行中は、割とゆるやかな感じという話も聞きます。基本はお魚を食べるとしても、お肉好きであれば、こっそりハラルかどうかわからないケンタッキーフライドチキンをほおばることもあるのでしょう。まぁ、ものすごく厳格に守っている人は、そもそも確実にハラル食品が確保できるイスラム圏以外に旅行にいくなどという発想がないのかもしれません。

パスタは確かに自分で作ったほうが少なくともアルデンテなので、作るときもあります。ただ、さすがにぱりっとしたナポリ風ピザみたいなものは無理ですが。