Thursday, August 18

あさきゆめみし

先日、日本の新聞に源氏物語の展示か何かの宣伝がありました。
源氏物語、古典の授業ではおなじみです。さすがに原書ですべて読むのはつらいので、最初は漫画の「あさきゆめみし」で入り、うちで埃をかぶっていた谷崎潤一郎訳をがんばり、あとは、田辺聖子訳なども読んだ記憶があります。きらびやかで雅な、でも、複雑な男女関係とどろどろした感情も入り交じる一夫多妻の貴族たちの世界。自分が大勢の相手のうちのひとりで、通ってくる夫を待つなんて、今の独立心旺盛で積極的な日本人女性には耐えられないとは思いますが。

イスラム教といえば、4人まで妻を持つことができます。
でも、身近で複数の奥さんがいるという話は聞きません。
先日、ムスリムの友人と話をしていたら、やはり実際に複数の女性と結婚している男性は少ないようです。王族ですら、現在複数の奥さんがいるというケースはありません。現国王には、最近まで第二夫人がいましたが、離婚してしまいました。ちなみに、元第二夫人には、日本人の血が1/4はいっているそうです。

前に、仕事で関わったイスラム教徒のアフリカ系の人は、奥さんが二人いるといっていました。コーランの教えでは、すべての妻を平等に扱わなければならないということで、家は2軒、お土産やプレゼントも倍、休暇旅行も2回、という具合にとにかくお金はかかるし、気も遣って大変だと嘆いていました。嘆くぐらいならば、ひとりにすれば、という気もしたのですが、そもそも、この一夫多妻の制度というのは、男性の数が女性よりも少ない中で子孫の数を確保するとか、女性の生活の安定を確保するとか、そういう発想から生まれてきていると聞いたことがあります。つまり、結婚したからには責任を持つというのは当然なのでしょう。要は、甲斐性のある男性しか、複数の奥さんを持つことはできないわけです。光源氏も関係を持った女性の面倒は最後までみていたので、寂しい思いや嫉妬に狂わせることはあっても、甲斐性はあって責任は果たしていたといえるのでしょう。

いずれにせよ、もしかしたら世の男性が「あさきゆめ」見てしまうようなハーレムや、愛人が何人もいるというシチュエーションとは、イスラム教の教えに則った4人までの奥さんというのは相当違う感じです。


そういえば、これも仕事で関係のあったアフリカにある小さな国の王様は、イスラムとは宗教的に全く関係ありませんが、絶対的権力を持つ王様は多妻主義。すでに11人のお妃がいて、今年になってさらにひとり新しい妻を迎えたそうです。それが確か17歳か18歳の高校生。どこかで聞いたと思ったらこの国の皇太子妃は17歳の高校生。どこでも高校生は人気、なのでしょうか。こちらのほうが、男性陣の「あさきゆめみし」の世界なのかもしれません。

1 comment:

chestnuts said...

thonちゃん
今時は、女子中学生なのかも。それとも、小学生???
イスラム法では、男性が離婚すると3回言えば簡単に離婚できるらしいです。もちろん、妻への経済的な義務というのはあるにしても、女性が離婚したいときには男性の合意を求めなければならないとか、やっぱり不平等な感じがします。イスラムの国でも、一夫多妻を禁止していたり、女性側からの離婚も同様に手続きを踏めばできるという法律を設定しているところもあるようですが。ちなみに、国王の元第二夫人は、彼女の浮気が原因で離婚されたという噂です。今でも、立派なお屋敷に子供たち(王子や王女)とともに住み、国王は週1回だか毎日だか会いに行っているそうです。浮気判明で離婚せざるを得なかったけれど、「別れても好きな人」なんでしょうね、きっと。